「物言う株主」として知られる香港系投資ファンド「オアシス・マネジメント」が、クスリのアオキホールディングス(白山市)の株式を買い増し、持ち株比率を14%台まで高めていたことが分かった。
関東財務局に提出された報告書によれば、直前の報告書に記載されたオアシスの持ち株比率は10.70%で、その後2026年2月12日までに株式を買い増したために、持ち株比率が14.02%に上昇した。
クスリのアオキHDの大株主一覧を見ると、筆頭株主のイオンは傘下のツルハとの合計で持ち株比率にして15%ほどの株式を保有している。オアシスの保有比率は実質的に筆頭株主と同水準の高さになったと言えそうだ。
そんなクスリのアオキHDは2月17日、臨時株主総会を開いて買収防衛策の導入を決議した。 買収防衛策は議決権比率で20%以上の取得を目指す者が現われた場合、他の株主に無償で新株予約権を割り当てる内容。
簡略化して説明すると、アオキが全100株を発行していたとして、うち20株をアオキの同意なく敵対的に買い集める者がいた場合、残る株主の保有数を2倍にするべく新株を発行するので、敵対的な買収者の持ち株比率は「20/100=20%」から「20/180=11%」に下がって買収を防げる、というような仕組み。

この議案に関し、イオンやオアシスは反対の態度を表明して臨時株主総会に臨んだ。ところが、臨時株主総会では買収防衛策の議案について55%が賛成に回って可決された。
もっとも、アオキ株は、創業家関係が40%ほど、イオンとオアシスの合計が25%ほどを保有しているとみられており、一般株主は「賛成15:反対20」で、やや反対が優勢だったとも考えられる。
この買収防衛策があると、もしも敵対的買収者が現われても、既存の一般株主には保有株数に応じた新株が割り当てられる。持ち株の価値は維持されるようだが、そもそも株価が下落すれば株主は損失を免れ得ない。複数の大株主が創業家と対立している状況は、大量の株式が突如として売りに出され、結果として株価が急落する恐れもはらんでいる。
今回、オアシスが買い増したタイミングは、こうした環境下、この買収防衛策の導入案が公表された後で、議案が諮られる臨時株主総会の直前だった。
これがどういう意味を持つのか、正確なところは当事者にしか分からない。筆者個人としては「ウチの株の大量購入は事前審査制だから」という買収防衛策はオープンな株式市場の在り方と反するように思う。そんなに買収されるのが嫌なら、クスリのアオキHDはいっそ非上場化した方が良いのでは?と思わなくもないが、どうなのだろうか……。
事情を理解されている方がおられれば、話を聞かせてください。

