金沢・竪町のホテル「エイトポイントイン」が2026年1月に営業終了を発表も、従業員が組合結成して営業継続を申し入れ

金沢市竪町のホテル「エイトポイントイン金沢」が2026年1月16日に営業を終えることになった。ところが、この件を巡って従業員有志は実質的に退職へ追い込まれたとして労働組合を結成し、ホテルの営業継続を求めて立ち上がる事態となった。

エイトポイントイン金沢は商業施設「CoCoTTo KANAZAWA」(旧金沢パティオ)の3~5階を占めている。

3~5階が「エイトポイントイン金沢」

エイトポイントイン金沢は2019年12月にオープンした。その後、運営会社が交代し、現在はリオ・ホールディングス(東京)のグループ会社が運営している。

ホテルのホームページには2025年12月12日付で「営業終了のお知らせ」という文章が公開されている。


金沢では宿泊施設数が増加基調にある。一方、インバウンドの急増や能登半島地震の復旧・復興作業に伴う宿泊需要の増減など、不安定な市場環境が続いていた。宿泊業者として先行きが見通しにくいのは確かで、営業を終える施設が出るのも無理はないかもしれない。

そんな中、エイトポイントイン金沢の閉館を巡っては、従業員有志が「日本労働評議会エイトポイントイン金沢分会」を結成。2025年12月19日、運営会社側に対して営業継続と退職合意書の撤回を申し入れた。

竪町商店街

日本労働評議会エイトポイントイン金沢分会によると、従業員に営業終了が伝えられたのは10月23日で、運営会社は本年度決算が黒字で営業に問題はないと認めたものの、価格競争の激化などを理由に閉鎖を決めたと説明した。

金沢での営業終了に伴い、会社側は従業員に系列ホテルへの配置転換を提案したが、その所在地は石川県外だった。配置転換に応じられない場合は有給休暇を買い取った上で退職となることを通知して「退職合意書」への署名を求めたらしい。

これに対し、従業員有志は会社側の示した内容が実質的に選択肢となり得ないとして、組合の結成と団体交渉の実施に至った。

PAGE TOP