【独自ニュース】金沢の客室数、初めて1万4,000室超え/コロナ禍も膨らむキャパシティー   連載≪宿泊業、天気晴朗なれども波高≫㊤

金沢市内で営業しているホテルと旅館、簡易宿所の合計客室数が、初めて1万4,000室を突破したことが分かった。北陸新幹線開業前後から力強い増加基調を継続しており、この新型コロナウイルス禍にあっても増やし続けている。(国分紀芳)

金沢市衛生指導課によると、旅館業法に基づいてホテル、旅館、簡易宿所として営業許可を受けている施設の客室数は、2022年5月末で437施設の1万4,146室となっている。2021年度末(22年3月末)時点では1万3,982室だったため、その後の2カ月間で164室が増えたことになる。

2022年4、5月に許可を受けた施設として、まずは竪町通りの「OMO5金沢片町 by 星野リゾート」(101室)を挙げたい。

竪町通りの「OMO5金沢片町 by 星野リゾート」

個人的に2022年前半の当サイト最大のスクープの1つは、この「星野リゾート進出」「ブランドはOMO5」の独自ニュースを立て続けに書いたことだと思う(その反動か、メディア向け内覧会への参加は「あいにく満席です」「開業したら ご利用ください」と断られたが……)。

さらに、近江町市場近くの下堤町では、長期滞在向けホテル「VACATION RENT金沢」も許可を受けた。

2022年度は袋町、尾張町のホテル2軒で約350室ほどが加わる。小さな規模のホテルを合計しても、さすがに1万5,000室には届かないだろうが、それに近い水準にまで増加しそうだ。

※ちなみに、いわゆる民泊施設は根拠となる法律が異なるため、ここで言う「宿泊施設」には含まれていない。民泊施設も含むと、客室数はもっと多くなる。

5年前の1.7倍という高水準に

筆者の手元にあるのは2022年5月末に営業中の市内宿泊施設の一覧で、既に廃業した施設はリストから消去されている。

以下ではリストを基に市内の客室数の推移を示すが、当時、実際に稼働していた客室数は、もっと多い可能性があることをご了承いただきたい(ただ、巨大なホテルや旅館が廃業した覚えはないので、大きな違いはないだろう)。

2022年5月末 1万4,146室
2021年5月末 1万2,151室
2020年5月末 1万 777室
2019年5月末 9,694室
2018年5月末 8,983室
2017年5月末 8,114室
金沢市衛生指導課の資料による

便宜上5月末を基準にして遡ると、2020年に1万室の大台を超えたことが分かる。そこから2年間で4,000室弱も増えたというのは、単純に驚きだ。

また、2022年の客室数は5年前に当たる2017年の1.7倍という水準になっている。2017年と言えば、米国でドナルド・トランプ氏が大統領に就任した年。あの頃から今までに、金沢市内の宿泊キャパシティーが1.7倍に高まったと思うと、急増ぶりがイメージできるだろう。

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コロナ禍前、金沢の宿泊施設の増加ぶりについて、ホテル関係者に話を聞く機会が度々あった。

当時は新幹線開業直後に「金沢のホテルが予約できなかった観光客が車中で夜を明かした」という異常事態が起こった後だった。その後遺症もあったのか「多様な施設ができて受け皿のキャパシティーが大きくなれば、観光客は選択肢の多さを好感し、より大勢が金沢を訪れる」と肯定的に捉える論調もあった。

あれは正論だったのか、あるいは過剰な楽観論だったのか。外部環境が180度変わった今、もはや判定することはできない。ただ、確かに言えるのは、今そんなポジティブな主張をする人はいない、ということだ。

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宿泊市場は長いコロナ禍の停滞を経て、ようやく先行きに明るさが出始めたものの、観光都市・金沢のホテル業界を取り巻く環境は依然として厳しい。「天気晴朗なれども波高し」。荒海に漂う宿泊業界の今を概観する。

連載の㊥、㊦は以下のリンクから。

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