鯖江市に本店を置く企業「jig.jp」(ジグジェイピー)が2022年12月22日、東京証券取引所グロース市場に上場することが決まった。jig.jpはライブ配信サービス「ふわっち」を中心に、一般消費者向け、自治体向けにサービスを展開している。
北陸3県の企業が新規上場するのは2022年6月27日にグロース市場へ上場したサンウェルズ(金沢市)から半年ぶりとなるもよう。
jig.jpは「利用者に最も近いソフトウェアを提供し、より豊かな社会を実現する」を企業理念としている。上の写真・リンクにある「ふわっち」のほか、自治体や企業には子ども向けプログラミング専用パソコン「IchigoJam」も販売している。
福野泰介会長(44)が2003年5月に東京都新宿区で設立した。福野氏は石川県生まれで福井高等専門学校を卒業したらしい。2013年6月には本店を鯖江市内に移し、2022年8月には鯖江市横越町に自社ビルを建て、さらに本店を移転した。
現在は中途入社の占部哲之氏(52)が社長を務めている。
株式は現状で全体の23%を筆頭株主の福野氏が保有しており、インキュベイトキャピタル5号投資事業有限責任組合が22%を有して大株主順位2位。上場に合わせて自己株式5万7,000株を処分してSMBC日興証券に買取引受させるほか、323万8,400株を売り出し、需要動向に応じて最大49万4,300 株も売り出す。
平均給与は540万円超
2022年3月期の連結売上高は89億8,422万円で、ふわっちのユーザー数拡大のために多額の広告宣伝費・販売促進費を支出したことから、純損益は2億1,500万円の赤字となった。
自己資本比率は43.17%で、22年9月末時点のグループ従業員数は65人(平均年齢は33.1歳)となる。従業員の平均年齢が低い中で年間の平均給与は540万4,000円という水準。地方の中で比べれば、割と高給取りの会社と言えるかもしれない。
23年3月期は売上高100億円へ
22年9月中間期時点では黒字を回復。23年3月期は売上高が100億9,800万円、純利益が8億4,400万円になると見込んでいる。
無配を予定している。
北陸の上場企業としては珍しく先端的な業態で、石川県・富山県に立脚する(と自認する)筆者は、恥ずかしながら「jig.jp」という社名も「ふわっち」というサービス名も初めて耳にした。
上場企業になれば、さまざまなところで情報が開示され、一般人が社名を聞く機会も増えるだろう。これからの展開を楽しみにしている。
IPO、申し込んでみようかな。