フェローテックHDの子会社、石川県川北町に半導体関連の工場を新設/投資額は60億円、24年夏に操業

フェローテックHDの子会社、石川県川北町に半導体関連の工場を新設/投資額は60億円、24年夏に操業

フェローテックホールディングス(HD)100%子会社のフェローテックマテリアルテクノロジーズ(東京)は、2024年夏の操業を目指して石川県川北町に「石川第3工場」を建設する。場所は川北町東部地区工業団地の一角で、半導体分野などに向けたセラミックス製品を作る。

建設地は「ヤマキシ」の南側

向上の建設予定地は川北町字三反田200-1。川北町のホームページによると、この住所はホームセンター「ヤマキシ」の南側で、つまり以下の地図の辺りになるはず。

工場の敷地は3万㎡で、延べ床面積は1万3,000㎡を予定する。投資額は60億円で、2023年6月に着工、2024年夏に操業を始めるという。

新工場の完成イメージ

フェローテックマテリアルは半導体等装置関連事業製品や電子デバイス事業製品、車載関連事業製品の製造販売を手掛けている。

石川工場・石川第2工場ではセラミックス素材や加工製品を製造している。昨今の世界的な半導体需要の高まりに伴ってセラミックスの需要が高まっており、これらのニーズに応えて事業を拡大するために川北町に新工場を建設し、供給能力を増大させる。

同社のセラミックス製品の特徴については、発表文から引用する。

当社は、高純度ファインセラミックスと機械加工のできるマシナブルセラミックスを各種ラインアップしており、主に半導体製造装置および部品の関連メーカーに採用されています。ファインセラミックスはお客様の厳しい仕様を満たす高機能性を有しており、マシナブルセラミックスは素材製造だけでなく機械加工をワンストップで提供し短納期での納品を実現しています。最近では、医療、検査、分析機器などの成長分野で当社セラミックスが採用されており、非半導体分野での需要拡大も見込まれます。

新工場建設の発表文より

さて、筆者は半導体分野に関して知見が少ないのだが、コロナ禍での世界的な需要の高まりを受けた各社の工場増設により、むしろ今後は供給過多になるという話も聞く。

石川県では以前、白山市に1,700億円をかけて造られたジャパンディスプレイの白山工場(すったもんだの末、シャープに売却済み)が、完成時には「既に時代遅れ」と言われて稼働状況が上がらないような結果が、再びこの地で起こらなければよいのだが…。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、地元新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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