不動産情報サービスのシービーアールイー(CBRE)がまとめた2022年9月末時点のオフィス空室率は、3カ月前の前回調査時の7.6%から急上昇して14.5%となった。
当サイトでは3カ月前の記事(下記リンク)で、空室率の悪化(上昇)を予想していたが、これほどとは思わなかった。
背景に新規大型ビル竣工の影響?
空室率が急上昇した背景について、CBREは市場に10%のインパクトを与える新規大型物件が一部に空室を持ったまま竣工したことを挙げた。
金沢駅西でJR西日本グループが手掛けた金沢エリア最大規模の地上10階建てビル「JR金沢駅西第四NKビル」のことだろう。
そういう意味では、新ビル竣工直後の一時的な状況ともみられる。
しかし、仮にそのビルに移るオフィスがあるとすれば、もともと入居していたビルは空く。オフィスの供給増に入居ニーズの高まりが伴ってこないと、空室率はしばらく高止まりしそうだ。
空室率2ケタ台は2016年6月期以来
CBREの調査では、金沢のオフィス空室率は03年の調査開始時から16年6月期まで、一貫して10%を上回り続けていた。16年9月期に初めて1ケタ台に低下した。
その後は19年9月期に4.7%まで低下。しばらく横ばい基調で推移し、20年9月期に過去最低の4.5%を付けたが、直近はコロナ禍の影響もあって悪化基調となっている。
調査では原則として延べ床面積が1,000坪以上あり、新耐震基準を満たした賃貸ビルのうち、調査時点(今回なら9月末)ですぐに入居できる状態のオフィスのみを対象に空室率を割り出している。