Auto Restaurant(金沢市)は金沢市駅西本町2丁目に、北陸で初めてとなる肉の無人販売店「NIKU SPOT」を開設した。24時間営業で、一般的なスーパーやドラッグストアではあまり扱われないような珍しい肉製品をそろえている。
場所は50m道路を金沢駅から県庁方向に進んだ場合、左手にある中日新聞北陸本社の裏手に当たる。
肉製品は20種類ほど販売
NIKU SPOTで扱うのは牛や馬を中心に、豚も踏まえた冷凍の肉製品が20種類ほど。他にギョーザやジェラート、チーズケーキなどの冷凍製品も販売している。
ショーケースの内部は下の写真の通り。
運営するAuto Restaurantによると、売れ筋商品は熊本から直送している馬刺し、鹿児島の黒毛和牛ユッケという。
決済は現金(1,000円札専用の両替機あり)のみならず、各種クレジットカード、QRコード決済に対応している。
ショーケースの増設を計画
NIKU SPOTはもともと、10坪ほどの店内に415ℓの冷凍ショーケース3台を設置した状態で2022年10月8日にオープンした。
ところが、取扱品目が増え、今後もさらに品目やジャンルを拡充する計画であることから、ショーケース1台を増設する方針だという。
運営会社の代表は金沢市出身の川端聖氏
Auto Restaurantの代表取締役を務める川端聖氏は金沢市出身。1984年生まれの38歳で、電気通信大学を卒業後にKDDIへ入社。技術系の社員として働いた。
2019年、福岡に住みながら、香川で旅行代理店、広島でピザを無人販売するビジネスを提供する企業を立ち上げた。後者は自身が関係するメーカー製の機械を活用し、広島のコンビニエンスストア「ポプラ」の店頭など6カ所で、ピザを焼いて販売していたが、品質的な課題から中断した。
22年になり、生まれ故郷である金沢で「あまり近所で売っておらず、自分で食べてみて美味しいと感じた肉」(川端氏)だけを集めた24時間営業の無人販売店を始めた。
「無人販売店」というと、一般にはコストをかなり抑えた業態だが、冷凍ショーケースや空調の光熱費はかさむ。
一口に「冷凍品」と言っても賞味期限が短いものも含まれ、管理の手間もかかる。さらに、肉製品は部位や調理法によって納期がバラバラなので、売れ行きを見ながらの仕入れに苦労しているという。
23年2月には横浜に2号店
筆者のみたところ、このビジネスは必ずしもフルラインナップでなければならないわけではなく、つまり数㎡という小さなスペースがあれば始められる。
…と思ったら、そんな話が進んでおり、2023年2月には関東のクリーニング会社がフランチャイジーとなって横浜に2号店を設ける。
もっとも、本業との間で本格的に相乗効果を期待するとなると、かなり業種が限られそう。
地域ごとに売れる商品も異なるだろうから、店舗設備の効率化・集約化などで空きスペースができた企業(店)が、取扱商品を絞りながら本業の傍らで始めるサイドビジネス、ぐらいの位置づけで拡大するかも知れない。