大和ハウス工業は2023年4月、子会社の大和リゾートを、ホテル専門の資産運用会社「ジャパン・ホテル・リート・アドバイザーズ」が運用するファンドの特別目的会社(SPC)に売却する。これに伴い、大和リゾートが保有・運営する砺波市の「Royal Hotel 富山砺波」と志賀町の「Royal Hotel 能登」も譲渡する。
大和リゾートの全株式、大和ハウスが大和リゾートに対して有する貸付債権、大和ハウスが保有する札幌のホテルを合わせた譲渡価額は556億円。
大和リゾートは1973年設立で、現在、全国の24ホテルを運営している。社名の通り、リゾート地というか、郊外にある物件が多いようだ。2022年3月期の売上高は188億円。
大和ハウスの発表によると、長引くコロナ禍でホテル業を取り巻く環境が大きく変わる中、ホテルを専門分野として事業を展開するジャパン・ホテル・リート・アドバイザーズへ大和リゾートを譲渡することが、同社の持続的な成長につながると判断したらしい。
一方、北陸でも主要駅前にある「ダイワロイネットホテル」は大和ハウスグループの別会社が経営しているため、今回の譲渡には含まれない。
リンク
親会社はシンガポール拠点の企業グループ
ジャパン・ホテル・リート・アドバイザーズのホームページによると、同社の株式の87%を持つ親会社は、シンガポールを拠点にアジア・オセアニア市場で不動産投資ファンドの運用業務を手掛ける企業グループとなる。
そう聞くと「外国企業が日本のリゾート地を買い漁るつもりなのか?」と危惧してしまう。この点、ジャパン・ホテル・リート・アドバイザーズはホームページで、親会社が経営の独立性を十分に尊重してくれるため、自社は独自の経営判断ができている旨を記載している。
リンク