津田駒工業、また下方修正/「下期は黒字」の強気予想も一転、3Q、4Qとも赤字に

津田駒工業、また下方修正/「下期は黒字」の強気予想も一転、3Q、4Qとも赤字に

2022年12月22日

津田駒工業(金沢市)は2022年12月22日、22年11月期(通期)の業績予想を下方修正した。津田駒工業は7月13日にも下方修正しており、今回は2度目の予想引き下げとなる。

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各損失、予想から9億円ずつ拡大

今回の下方修正では「前回予想」に比べ、売上高を25億円、各損失を9億円ずつ引き下げた。

津田駒工業の21年11月期実績、22年11月期予想の変遷は以下の表の通り。

売上高営業損益経常損益純損益
21年11月期の実績 27,796 ▲3,723 ▲3,605 ▲4,495
22年11月期当初予想(1月17日公表) 35,500 ▲1,100 ▲1,100 ▲1,100
22年11月期修正予想(7月13日公表) 33,500 ▲1,500 ▲1,500 ▲1,500
22年11月期修正予想(12月22日公表) 31,000 ▲2,400 ▲2,400 ▲2,400
単位は百万円、▲はマイナス

5月中間決算の発表と同時に下方修正した7月13日の通期予想では、上期が赤字だった半面、下期だけでみれば黒字化するとの見通しだったが、実際の第3四半期(6~8月)はやはり赤字だった。

赤字は縮小傾向にあるが…

津田駒工業の業績予想は、なぜかいつも全ての損益が同じ数字であり、信ぴょう性を疑わざるを得ない。だが、一応これを信じて計算してみると、第4四半期(9~11月)は営業損益が3億円弱の赤字で、経常、純損益が3億円強の赤字になる見込み。

赤字幅は縮小傾向にはある。

ただ、今回の修正理由によると、工作機械関連事業は長納期化で一部の売り上げ計上時期が後ろにずれたほか、原材料や輸送にかかるコストが上昇したためらしい。原材料費や輸送比なんて、そう簡単にグッと下がらないし、すると、この先もしばらく赤字が続くということか。

「いやいや、実はね…」と言いたいこともあるが、それはまた別の機会に。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、北國新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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