動力伝動装置や付属品の製造販売を手掛ける椿本チエイン(大阪市)は福井県美浜町に人工光型の大型植物工場を建設し、2025年5月に稼働させる。椿本チエインが植物工場を建設するのは、今回が初めてとなる。
建設予定地は若狭美浜インター産業団地内にあり、敷地面積は約8,500㎡。2023年11月に着工し、2025年5月に事業を開始する予定。
フル稼働時は従業員35人が働き、レタス類を作る。計画では、福井県内では最大規模となる1日当たり約2.2tの生産を目指す。投資額は約28億円となる。
椿本チエインは2021年度の売上高が2,158億7,900万円で、従業員数が8,566人(2022年3月31日時点、連結ベース)という大企業だ。
就農人口の減少や頻発する異常気象を背景として、安全で高品質な野菜の安定供給へのニーズが高まる中、椿本チエインは機械部品から搬送システムまでの幅広い事業で培った自動化技術を生かし、2014年からアグリビジネスを本格展開している。
今回はコンビニエンスストア、中食・外食市場での需要拡大に応えるため、植物工場の「大型化」「自働化」に向け、植物工場の経営に乗り出すことにしたらしい。
運営に際しては木田屋商店(千葉県浦安市)の支援を受け、木田屋商店の栽培技術と椿本チエインが培ってきた自動化技術・知見を生かした次世代モデル工場と位置付ける。工場はアグリビジネスの研究・開発拠点としての機能も担い、6次産業化を見据えた周辺事業への拡大につなげる計画となっている。