化合物の合成手法で技術提携/三谷産業グループのアクティブファーマと日本曹達

化合物の合成手法で技術提携/三谷産業グループのアクティブファーマと日本曹達

三谷産業(金沢市)のグループ会社のアクティブファーマ(東京)と高岡市に生産拠点を置く日本曹達(東京)は、化合物の合成に活用される「フロー法」に関する技術提携契約を結んだ。

今後、互いの研究資源を活用し、それぞれの生産活動における効率の向上と環境負荷低減の取り組みを進める。

発表によると、化合物を合成する手法には「バッチ法」「フロー法」がある。バッチ法は化学反応に必要な全ての原料を容器に投入して生成物を取り出す。一方、フロー法は管型の反応器に原料を流しながら生成物を連続的に取り出す。効率性・安全性・環境調和性に優れる特徴がある。

写真はイメージです

高度な有機合成技術をもつ日本曹達は1950年代に農薬分野へ参入し、開発・製造した各種農薬は国内外に流通している。2010年ごろにフロー法の検討を始め、2016年にはグループ会社でフロー法による農薬中間体の商業生産を開始した。

一方、医薬品原薬の開発・製造を行うアクティブファーマは2020年から、東京大学の小林修研究室とともに「連続フロー法」の商業化に向けた共同研究を進めてきた。連続フロー法は高齢化で医薬品の需要が高まる中、労働力人口が減少する生産現場の省力化や省人化につながるという。

日本曹達は将来的に連続フロー法を自社の製造プロセスに応用できると考えている。アクティブファーマも、日本曹達の有機合成技術が自社の製造プロセスに応用できると考え、技術提携に至った。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、地元新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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