コインパーキング運営の日本システムバンク(福井市)は2023年4月14日、名証(名古屋証券取引所)のメイン市場へ上場した。
筆者は地元新聞社に勤務時、車止めの板がないパーキングを設置している会社として短い記事を書いたことがある程度。この際、どんな会社か調べてみた。
日本システムバンクの設立は1996年7月10日。だから、現在は設立から27年ということになる。同年には福井市に本店を開設したほか、千葉県浦安市に東京本社(現千葉支店)も構えている。
現在(2022年6月時点)では福井、東京の2本社制のもと、全国に14支店、子会社3社を有している。
売り上げの98%が…
事業内容を業績から見てみる。2022年6月期の売上高が67億7,640万円だったところ、コインパーキング事業の売り上げが66億4,128万円で、全体の98%を占めた。他の2%分の売り上げは賃貸ビルの賃貸料などとなっている。
2023年6月期は減収増益の見込みで、売上高は前期比0.3%減の67億5,606万円、営業利益は8.2%増の3億8,366万円、純利益は20.3%増の2億1,584万円の予想となっている。
駐車場の機器も供給
日本システムバンクが公表している資料から、同社のビジネスを要約してみる。
同社は創業時から「遊休不動産の有効活用」を基本理念に、コインパーキングにできそうな遊休地の所有者に対して駐車場としての活用を提案してきた。単に駐車場を運営するのみならず、駐車場機器の供給やメンテナンスも手掛けており、それを「駐車場管理の総合商社」と自称している。
そのため、運営に不安を抱える地主に対しては、同社が地主から借りた土地にコインパーキングを開設・運営し、賃借料を支払う一方、自身でパーキングを運営したいという地主には、駐車場機器の供給・メンテサービスを提供する。
パーキング開設時には造成を、運営開始後には利用者からの入電の受付、場内でのトラブル発生時の対応、駐車場機器の定期点検業務など、パーキングに関する全般を提供できる体制を築いている。
45都道府県で事業展開
こうした取り組みの結果、グループの直営駐車場・駐輪場数や管理受託駐車場・駐輪場数は順調に伸び、2023年3月末時点で、45都道府県の7,329件、13万2,823車室を展開するに至っているそうだ。
コインパーキングというビジネスは「Times」や「三井のリパーク」、「dパーキング」など、大企業がひしめく分野。そんな厳しい市場で、北陸初の新規上場企業がどんな成長を見せるのか楽しみである。