外資系投資ファンド「Oasis Management Company Ltd.(以下、オアシス)」は2023年5月18日、関東財務局長に対し、クスリのアオキホールディングス(白山市)の株式の大量保有報告書を提出した。
持ち株比率は5.5%に
報告書によると、オアシスの保有比率はクスリのアオキHDの発行済み株式総数の5.5%となる。保有の目的は「ポートフォリオ投資および重要提案行為」としており、株主価値を守るために重要提案行為を行う場合があるとしている。

オアシスは市場内外で断続的にクスリのアオキHD株を買い集めており、5月15日に49万株を市場外で取得したことで持ち株比率が5%を超えたため、大量保有報告書を提出する義務が生じた。
この時点で、クスリのアオキHDが発行済みの3,153万2,560株に対し、オアシスは173万5,200株を取得していたことになる。株式の取得に要した費用は115億円超で、ファンドの資金から出したらしい。お金持ち。


大株主順位は5位ぐらいになるか
クスリのアオキHDが公表している四半期報告書によると、クスリのアオキHDの大株主は2022年11月20日時点の上位5者が順に信託口、イオン株式会社、青木宏憲氏、青木孝憲氏、株式会社ツルハとなっている。
オアシスがどこから株を買ったのかは分からないが、もともとの上位5者が売買していないと仮定すると、オアシスはツルハを抜いて大株主順位の5位(社外勢としては実質2位といったところ)ぐらいに割り込んでくることになる。
アクティビストとして存在感/株価は急騰
オアシスは「物言う株主(アクティビスト)」として知られ、日本企業の株主総会で積極的に株主提案を行なっている。
過去には東芝の大型増資を引き受けたり、東京ドームの筆頭株主として会社側と対立した結果、三井不動産が東京ドームを買収するきっかけをつくったりして存在感を示している。
2023年5月18日のクスリのアオキHD株は、前場こそ前日終値付近の6,600円台半ばで推移していたが、オアシスによる大量保有が明らかになると、さまざまな思惑が広がって流れが変わった。後場に入ってからは一気に7,000円台へ駆け上がり、前日終値より540円(8.11%)高い7,200円で大引けを迎えた。

