東京証券取引所はOOKABE GLASS(おーかべ がらす、福井市)の株式の新規上場を承認した。上場先は東京プロマーケットで、上場日は2023年6月27日となる。この記事ではOOKABE GLASSについて、概要を紹介する。
OOKABE GLASSのグループはガラス板に特化したECサイト「オーダーガラス板.com」をはじめ、ガラスや鏡といった内装部材のECサイトを運営しているほか、そうしたサイトのフォーマットを販売する事業などを展開している。
オーダーガラス板.comは「インターネットによる板ガラスの国内販売」というニッチな分野で国内最大級の実績を持っているらしい。「ニッチ」とは言ったものの、建物には必ずと言って良いほど窓があり、窓にはガラスがあるので、対象としている市場は裾野が広そうだ。
事業年度は1~12月で、直近の2022年12月期は子会社2社との連結売上高が12億2,534万円、純利益が8,111万円となっている。自己資本比率は53.2%で、従業員数は51人。
2003年8月、福井県丸岡町(現・坂井市)でガラス工事業を目的に「大壁商事株式会社」として設立した。2005年11月にオーダーガラス板.comを立ち上げ、EC事業に参入した。
2006年4月には本社を福井市に移転。2019年12月に現商号へ変更した。
面白いのは地方でECサイトを展開してきたことか。そう言えば、数年前にはダンボールのEC事業を拡大したダンボールワン(金沢市)がラクスル(東京)に売却された事例があった。
OOKABE GLASSも、地方にいながらECを通じてニッチ分野のリーダーとなり、存在感を高める一例のように思える。ことガラスに限ると伸びしろがどれだけあるか分からないが、同社はこれから他の分野にもノウハウを横展開する方針で、今後の成長が楽しみな企業である。