アイ・オー・データ機器(金沢市)は2023年6月29日、創業者の細野昭雄会長(79)が同年7月1日付で社長に復帰し、会長兼社長になる人事を発表した。
濵田尚則社長(57)はヒラの取締役になり、国内子会社事業推進担当となる。
細野氏は2017年9月、それまで常務だった濵田氏に社長の座を譲り、会長に就いた。その後、2022年に自身が代表を務める会社を通じてアイ・オー・データ機器を子会社化(MBO)し、上場を廃止していた。
代表取締役は細野氏1人に
今回の人事により、代表権を持つのは細野氏のみになる。
最終的には個々の会社の勝手なのだが、筆者個人は70代後半の1人だけが代表権を持つ状況を肯定できない。高齢になってなお代表権を持つ経営者を見る度に「経営者の一番の役割は、次の経営者を育てること」という言葉を思い出すからだ。
もちろん「高齢者は経営に関わるな」という暴論を述べるつもりはない。
ただ、誰しも、いつかは誰かに後を託すことになる。であれば、年齢を重ねたら、経営全般の後見役として一歩引くか、新規事業の推進役といった特定分野で力を発揮し、早いうちから次世代を見守るのが、永続企業を作る上での正解だと考えている。
※MBOに関する過去記事は以下のリンクから