富山市荒町にある「ダイワロイネットホテル富山」が2023年9月5日、開業から19年の歴史に幕を下ろすことになった。
場所は富山市中心部の「荒町」交差点の角地。
客室は227室
楽天トラベルに掲載されている同ホテルのページによると、客室は227室あり、館内にはレストラン、自動販売機、有料コインランドリーなどがある。
筆者は初めて知ったのだが、同ホテルの公式ホームページによると、同ホテルは「ダイワロイネットホテル」として1号店に当たるらしい。
大和ハウス工業系のホテルは複数の会社が集まって始まり、その後、離合集散を繰り返してブランドが多岐にわたるので、なかなか正確な歴史をつかむのが難しい。
今回、いくつかの関連会社のホームページで沿革を探ると、ビジネスホテルを大和ハウス工業直系の事業と位置づけ、従来の「ロイネットホテル」と別に「ダイワロイネットホテル」を始めたのが2004年(=19年前)ごろのよう。ダイワロイネットホテル富山が開業19年の歴史というのと符合する。
金沢駅前でも営業終了したばかり
当サイトでは何度か報じたところだが、これに先立つ2023年3月には、金沢駅前のダイワロイネットホテル金沢も営業を終了している。
※過去記事は以下のリンクから
当時の取材で、運営会社ダイワロイネットホテルズ(東京)の広報担当者は近隣地域に複数ある施設を集約してリソースを有効活用すると説明していた。当時、金沢駅から徒歩圏内には、大和ハウス工業系のホテルが3つあり、閉館したホテルは3つの中で最も古かった。
閉館したホテルは現在、他社の力も借りて運営事業者を探しているところとみられる。
同じように、富山市内でも2019年4月、富山駅前に「ダイワロイネットホテル富山駅前」がオープンした。
こちらは204室で、市中心部のダイワロイネットホテル富山と同規模となる。北陸新幹線開業から、早くも8年半。この間には新型コロナウイルス禍も経て宿泊業界を巡る状況は大きく変わり、足元では新規ホテルとの競合関係や人手不足が厳しくなっている。
金沢駅周辺では森トラスト(東京)が駅西の通称「10ブロック」でのホテル建設計画をようやく本格始動したと伝わる。しかし、この計画を含め、よほど独自の魅力ある施設を築かないと、集客はもちろん、スタッフ集めの面でも難しい戦いを強いられると見込まれる。
そんな中、各都市で複数のホテルを持っていた大和ハウス工業グループは、自社競合(カニバリゼーション)を避ける意味でも、早めにホテル網を集約しているようだ。