麻袋大手で東証スタンダード上場の日本製麻(本店・砺波市)は2023年8月21日に開いた取締役会で、ゴーゴーカレーグループ創業者の宮森宏和代表取締役社長(49)を解職し、ヒラ取締役に格下げする同日付のトップ人事を決定した。
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日本製麻によると、強引で不合理な議事運営があったほか、本来なら先に取締役会の承認を得なければならない支出案件について独断で実行し、後で取締役会に諮るというように順番が逆転してしまうことがあったという(もっとも、背任や横領といった犯罪に問われる類のものではないらしい)。
そこで、8月21日の取締役会で別の役員から解職の求めがあり、議決の末、社長降板が決定した。
後任には複数の金融機関などを経て2023年6月に日本製麻へ入った代表取締役副社長兼管理本部長の山村貴伸氏(62)が就いた。山村氏は同7月に代表取締役となっており、今後は1人で代表権を持つ。
臨時株主総会は予定せず
なお、日本製麻によると、現段階では臨時株主総会を開いて宮森氏を取締役からも退くよう求める予定はない。
とりあえずは山村氏が1人で代表取締役、宮森氏はヒラ取締役として社内にとどまる体制が続くことになるらしい。
【追記】2023年8月22日の北國新聞朝刊によると、宮森氏は取締役会の主張を「事実無根」とした上で「株式の買い増しなど対応を検討したい。正義は勝つ」と話したらしい。
筆者からすると、社長解職は事実関係こそが「正義」かどうかを決める要素であり、株を買い込むことは別の話だ。これでは新聞ぐるみで「金にモノを言わせて主導権を握れば、それが正義だ」と言っているようにも映るのだが…。
第2位の大株主も、4カ月で解職
日本製麻が2023年6月に公表した有価証券報告書によると、ゴーゴーカレーグループは3月末時点で日本製麻株の13.64%(自己株式除く)に当たる50万株を保有し、大株主順位はシンガポールの投資会社に次ぐ第2位だった。
宮森氏は2023年3月にゴーゴーカレーグループの会長に退き、翌4月に日本製麻の社長に就いた。そして、今回、社長在職4カ月半での解職となった。