【独自】金沢駅前のダイワロイネットホテル跡、北陸初の「スマイルホテル プレミアム」に/23年10月末オープン

【独自】金沢駅前のダイワロイネットホテル跡、北陸初の「スマイルホテル プレミアム」に/23年10月末オープン

金沢駅兼六園口(東口)前の金沢市堀川新町で2023年3月に閉館した「ダイワロイネットホテル金沢」の跡に、北陸3県で初めてとなる「スマイルホテル プレミアム」が入ることになった。

オープンは2023年10月31日を予定している。

2023年8月28日午前、現地を訪れてみると、外観はまだ「ロイネット」の看板を外した時のままだったが、建物内では何やら作業を進めている様子が見てとれた。

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「プレミア」は全国5例目

スマイルホテルはホスピタリティオペレーションズ(東京)が全国展開するビジネスホテル。同社は2005年設立で、現在は全国に100拠点以上を有しているものの「プレミアム」は北海道に2軒、大阪府に2軒しかなく、金沢が5例目になるもよう。

同社は2021年11月、金沢駅金沢港口(西口)の金沢市広岡3丁目に、新築で通常ブランドの「スマイルホテル金沢西口駅前」を開業させた。今回の「プレミアム」は正確には「スマイルホテルプレミアム金沢東口駅前」というらしい。

なんだか、どちらも「金沢」「西口(東口)」「駅前」の語順が妙な気がするが、まあ、ご愛敬。西口の既存ホテルは開業1年半がたってなお好評らしい。

新築から居抜きへ

2015年の北陸新幹線開業前後は金沢駅周辺や百万石通りを中心とした旧市街地でホテルの新築ラッシュとなった。当時、大通り沿いにも平面のコインパーキングがみられ、老朽化して稼働率の低いオフィスビルも散見されたため、それらが開発適地として活用された。

しかし、このコロナ禍で観光産業を巡る外部環境は一変。右肩上がりに伸びていた地方のインバウンド市場はリセットされ、ホテル開発も止まった。

さらに、産業ごとの浮沈に合わせて人材の流動性が高まり、宿泊業界からは人材が流出。外部環境だけでなく、内部環境も厳しさを増したのだった。

そこで、今回の舞台となった旧ダイワロイネットホテルなどは、1つの都市に複数あるホテルを集約し、経営資源を集中させ始めている。金沢市内は3ホテルを2ホテルに減らしたし、富山市内は2ホテルを1ホテルにする。

同じように、片町のホテル「アゴーラ金沢」の運営会社が交代して「ホテルアマネク金沢」に名を変えた。「ホテルトラスティ」が「KOKO HOTEL」になったように、金沢市内では開業から数年で運営会社が変わる例が増えている(トラスティはそんなに新しくないけど)。

さらに、古いオフィスビルなどの建物については、用途変更込みの改修を指す「コンバージョン」を施して宿泊施設とする例も出ている。

これを「市場の停滞を見越した控えめな進出ばかりに盛り下がった」と受け取るか「こんな時世にあって、それでも出店意欲は消えていないから先は明るい」と受け取るか、見る角度、立場によって変わりそうな難しい状況のようだ。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、北國新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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