PLANT、売上高が過去最高、大増配、自己株取得を公表で株価がストップ高に/株主還元を純利益の30%超に

PLANT、売上高が過去最高、大増配、自己株取得を公表で株価がストップ高に/株主還元を純利益の30%超に

ディスカウントストアを展開するPLANT(坂井市)は2023年10月23日、売上高が過去最高となる23年9月期決算を公表した。2024年9月期は売上高がさらに増える見通し。同時に株主還元方針の見直しも発表し、大増配の予想を披露したことで株価はストップ高となった。

売上高営業利益純利益年配当
23年9月期実績97,548(2.3)1,569(8.4)183(△43.5)32
24年9月期予想98,000(0.5)1,800(14.7)1,350(636.6)50
単位は年配当のみ「円」で、それ以外は「百万円」。△はマイナス

23年9月期は店舗の減損処理による特別損失15億円超を計上したため、純利益が大きく減った。24年9月期はそうした一過性の損失がなくなり、大幅に増加する見込み。

PBR1倍を目指す

同日公表した内容によると、PLANTは現在0.4倍台のPBR(「解散価値」とか呼ばれ、企業価値を示す指標)を東証の提言通り、1倍に高めることを目指し、その上で株主還元方針を見直すとした。今後は原則として純利益の30%以上を株主に還元するという。

その流れで、これまで17円を予想していた23年9月期の期末配当を、10円増の27円に上方修正した。中間配当の5円と合わせると、年配当は32円(22年9月期は年22円)となる。

しかも、24年9月期は中間20円、期末30円の年50円という予想を公表した。22年9月期から2年間で2倍以上に増えることになる。

約10%分の自社株買い&消却

PLANTは2023年11月1日~24年9月20日に、市場買い付けで自己株式75万株を取得する。自己株式を除く発行済み株式総数の9.70%に当たる。

さらに、10月31日付で、発行済み株式総数の4.45%に当たる36万280株を消却する。

株価は150円高、時間外でも上昇

以上の発表は2023年10月23日13時になされた。これにより、PLANTの株価は前営業日(20日)の終値と比べ、ストップ高となる150円(18.63%)プラスの955円まで上昇した。

この記事を書いている18時現在、時間外取引ではさらに130円(13.61%)高い1,085円前後で取引されている。

20日の終値から見ると、わずか1営業日で35%も上昇していることになる。もっとも、PLANTが本当にPBR1倍を目指すなら、まだまだ株価は割安という理屈になるし、PERも現在は5倍台で、まだまだ割安ではある(買い推奨しているわけではない)。

もちろん利益率の高いPB商品の拡充、コスト削減も進めるだろうが、言っても小売業なので、長期的に成長できるかは順調に出店できるかどうかにかかっていそう。

その意味ではドラッグストアに似ているが、PLANTは1店当たりの面積が桁違いに大きいので、適地は限られる。今後、どんな良い立地を確保できるか注目したい。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、北國新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

PAGE TOP