富山銀行は2023年10月27日、2023年9月中間期の損益予想を下方修正し、従来の黒字予想から一転して赤字になりそうだと発表した。北國銀行を傘下に持つ北國フィナンシャルホールディングスが同日発表した中間決算は利益が前年同期比で半減した。
民事再生法の適用を申請した物流業のアペックス(金沢市)に関する与信費用がかさんだ影響が大きいとみられる。
富山銀行の前回予想、今回の修正予想、前年同期実績(いずれも連結ベース)は次の通り。
経常損益 | 純損益 | |
---|---|---|
前回予想 | 500 | 350 |
今回予想 | ▲350 | ▲200 |
前年同期 | 1,403 | 787 |
赤字転落の理由は「与信費用が当初予想を上回るため」。黒字の通期予想は現状で据え置いている。
富山銀行はアペックスの倒産を受け、13.7億円の貸出金とリース債権が取り立て不能または遅延の恐れが出たと発表していた。
北國フィナンシャルホールディングスの中間決算は資金利益の減少に加え、個別貸倒引当金繰入額の増加、株式等関係損益の減少などが影響した。増益を見込む通期予想は据え置いた。
中間期実績、通期予想は以下の通り。
経常利益 | 純利益 | |
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2023年9月期連結実績 | 9,862(▲51.8) | 6,846(▲46.9) |
2024年3月期連結予想 | 16,500(2.8) | 11,000(25.8) |
北國フィナンシャルホールディングスはアペックス倒産について、41.9億円の貸出金とリース債権が取り立て不能または遅延の恐れが出たと発表していた。
逆に、福井銀行は2023年9月中間期の利益予想を上方修正し、貸出金利息の伸び、経費の減少などから、中間期の連結利益が予想比で1.8倍に増えるとした。前年同期の実績と比べると微減となる。
経常利益 | 純利益 | |
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前回予想 | 1,500 | 900 |
今回予想 | 2,800 | 1,700 |
前年同期 | 2,941 | 1.970 |
通期の業績予想は精査中らしい。