「旅先に着いたけど、半端に時間が余った。でも、知らない街だし…」という時、主要な観光地をぐるっと回ってホテルに入れたら、街の概要を知れて便利。そんなサービスをJR西日本(大阪市)とREA(東京)、大和タクシー(金沢市)が2023年11月23日から始める。
サービス名は「金沢駅ホテル送迎デマンドタクシー」。
JR西日本のMaaSアプリ「WESTER」で予約し、REAが提供するクラウド型AI 乗合配車システム「Noruuu」で予約状況を配車指示と結び付け、大和タクシーが車両を運行する。
いわゆる「デマンドタクシー」と呼ばれるもので、予約があった場合にのみ車両を動かす。目的地がだいたい同じ複数のグループを1つの車両に乗せ、効率的に移動を担う仕組み。今回でいうと、香林坊エリアのホテルが共通の目的地となる。
金土日祝日に1日4便
サービスは2023年11月23日~2024年2月18日の金・土・日曜、祝日。1日4便(金沢駅発が11時20分、12時40分、14時30分、15時35分)を走らせる。11月18日から予約を受け付ける。
目的地は5ホテル(ホテルインターゲート金沢、金沢ニューグランドホテルプレステージ、変なホテル金沢 香林坊、KOKO HOTEL Premier 金沢香林坊、金沢東急ホテル)。道中で、もてなしドームや近江町市場、兼六園、金沢城公園、金沢21世紀美術館の前を通り、コンパクトな金沢の街をぐるりと案内する。
料金は1人1,100円で、キャッシュレス決済にのみ対応する。当日9時までに予約すれば良い。
最近はタクシーに限らず電車やバスも含めてドライバー不足が深刻化している。筆者としては、これから労働力人口が減っていく中で「プロのドライバー1人が客1人を運ぶ」というモデルだけだと、いつか立ち行かなくなる日が来かねないと思う。
足元ではライドシェアの検討も進むが、大事なのは選択肢が並存することだろう。
こうした「バスとタクシーの中間」的なポジションは、北陸だと、もっぱら「買い物支援」の目的で実現してきた印象。これを観光分野へ拡大する取り組みは、単なる移動の効率化を超え、交通や観光都市としての街の持続性を高める効果すら生むかも知れない。