北陸銀行金沢支店、日本海側初のシティーホテル併設で建て替えへ/建設工業新聞が報道/【勝手に予想】「ロイヤルパークホテル」か

北陸銀行金沢支店、日本海側初のシティーホテル併設で建て替えへ/建設工業新聞が報道/【勝手に予想】「ロイヤルパークホテル」か

金沢市南町にある北陸銀行金沢支店を、日本海側初のシティーホテルを併設した形で建て替える計画があると分かった。

2024年1月29日付の建設工業新聞が報じた。

10階建て規模を想定か

金沢支店は国道157号(百万石通り)沿いに位置し、南町交差点の南東側の角地にある。

記事によると、現時点で建て替え計画の詳細は明らかになっていないが、新しいビルは10階建て規模になるとみられる。

支店に加え、日本海側に初進出となるシティーホテルが入るという。金融機関は最近、軸足を旧市街地から金沢駅周辺に移す動きが強まっている。このビルも建て替え後は支店の面積を縮小して金沢駅に近い支店に主な機能を移管するのではないか、というのが筆者の見立てだ。

さて、金沢市内でホテルを念頭に置いた(とみられる)開発を標榜しているのは他に、金沢駅前だと金沢都ホテル跡地、NHK金沢放送局に隣り合う森トラスト所有地、金沢パークビル隣のJR西日本所有地。旧市街地の方では香林坊東急スクエアと片町きららに挟まれた地域の再開発。

けっこう多い印象だが、いずれも計画が遅れている・遅らせている現状がある。一方、北陸銀行金沢支店の建て替え計画は銀行がGOサインを出せば進みそうなので、次に完成するのは、このホテルになるかも知れない。

三菱と親和性ある立地?

ここからは筆者の勝手な予想や考察。

そもそも「都市型ホテル」と呼ばれ、積極的に施設を増やそうとしているところは数えるほどしかない。2018年ごろ、プリンスホテルのトップが金沢を訪れてホテル進出に意欲を示していたが、それから音沙汰なし。

ニューオータニあたりは富山ゆかりで北陸銀行と縁もありそうだが、今の「御三家」は地方進出に意欲があるとも思えず。今さら外資系というのも必然的に「都市型ホテル」の範囲内に当てはまるブランドは絞られる。

その点、筆者が聞くところによると、不動産開発大手の三菱地所(東京)が金沢市内のホテル事情を視察に来たことがあるようだ。

三菱地所は東京・大手町のオフィス街開発のイメージが強いが、傘下に「ロイヤルパークホテルズ」ブランドを有し、三菱地所ホテルズ&リゾーツ(ロイヤルパークホテルズアンドリゾーツから2024年1月1日に社名変更)が全国20施設(2023年11月時点)を運営している。

「ザ ロイヤルパークホテル アイコニック 大阪御堂筋」の外観パース

三菱地所と言えば、金沢駅西のオフィス「金沢パークビル」のほか、北國銀行の旧本店跡地に分譲マンション「ザ・パークハウス 金沢城公園」を手掛けた実績がある。

このマンション、住所は「金沢市下松原町」ではあるが、イメージ的には「オフィス街としての南町」の北端付近。「金沢でいう南町」が「東京でいう大手町」に相当すると捉えれば、三菱地所は何となく南町と親和性が高い(と考えている)かも知れない。

ちなみに新しい北國銀行本店ビルも三菱地所グループが手掛けた。

宿泊特化型のブランドか

とは言え、現地をあらためて訪れてみると、高級ホテルを建てるほど広い敷地ではないし、オフィス街だけあって周囲に高い建物も多く、それなりに圧迫感があると感じる。

ここにホテルを造るとなると、おそらくはフルサービスの高級ホテルというよりも宿泊主体型のブランドになりそうだ。

ちょうどロイヤルパークホテルズでは「THEシリーズ」として3ブランドを出している。もしも三菱地所系ということで「当たり」なら、その3つのどれかになるのかも知れない。

奇しくも南町交差点付近では、同じ財閥系の宿泊主体型ホテル「三井ガーデンホテル金沢」が2019年に開業した。この点も、筆者がロイヤルパークホテルズを予想する根拠の1つになっている。

ちなみに、三井ガーデンホテル金沢ができた時に地元で聞いたのは、車寄せがないから車を横付けしにくい、ということだった。敷地の広さや大通りに面するという条件から仕方ないだろう。

その辺りの制約条件を考えると、ここがロイヤルパークホテルズではなかったとしても、高級なフルサービス型ホテルというより、割と高価格帯の宿泊主体型ホテルになるのではないかと勝手に考えている。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、北國新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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