ドラッグストア大手のサンドラッググループが2024年秋、北陸3県に進出する。グループの星光堂薬局(新潟市)が高岡市野村に「ドラッグトップス高岡野村店」をオープンさせる。
出店場所は文苑堂跡か
出店場所は高岡市野村1717。食品スーパーマーケット「サンコー」の隣で、2024年6月まで文苑堂書店野村店が営業していた場所となる。
2024年7月18日に現地を確認したところ、特に大きな変化はなかった。書店があった建物の一部では女性向けフィットネス「カーブス」が営業を続けており、書店跡は「がらんどう」のままだった。おそらく、ここを改装して出店するとみられる。
読書家を自認する筆者としては複雑な心境だが、街の本屋がなくなって県外資本のドラッグストアの出店地になるという現象は、昨今の小売業をめぐる力関係の移り変わりに関する象徴的な出来事のように思える。
売り上げ規模は業界5位
さて、サンドラッグは2024年3月期の連結売上高が7,517億円。3月末時点で1,473店を展開し、7,800人(パート・アルバイト含む)が働いている。ホームページによると、現時点では既に39都道府県に出店しているが、北陸3県には店がない。
よって北陸での知名度は今一つだが、サンドラッグの売上高はドラッグストア業界で全国5位。同じランキングで北陸が地盤のクスリのアオキホールディングス(白山市)は8位、Genky DrugStores(坂井市)はトップ10圏外となっている。
北陸のドラッグストア業界を筆者なりに概観すると、スギホールディングスやコスモス薬品といった域外の企業がそこかしこに新店を出して市場への食い込みを図っている。福井のゲンキーは未出店地域を埋めるべく能登などに新店を出してシェア拡大を目指し、石川のクスリのアオキは古くなった既存店を改装・建て替えして防戦の構えを固める、という感じか。
そんな中、サンドラッグのグループがどんな動きを見せるのか、注目したい。