【続報①】サンウェルズが2024年9月中間決算の発表を延期/「不正請求疑い」の調査など間に合わず

【続報①】サンウェルズが2024年9月中間決算の発表を延期/「不正請求疑い」の調査など間に合わず

2024年11月6日

※記事公開の翌日の2024年11月7日、株価の動きに関する箇所を赤字で追記しました。

東証プライム上場のサンウェルズ(金沢市)は2024年11月6日、9月中間決算の発表を延期すると発表した。共同通信社が「サンウェルズに不正請求の疑いがある」と報道したことを受けた調査などが終わっていないため。

東証には「45日ルール」というのがあって、上場企業は決算期末から45日以内に決算を公表する必要がある。そのため、9月末時点の中間決算の場合は11月14日が期限となる。

この点、サンウェルズは以下のリンクの記事にある通り、9月2日に共同通信社からサンウェルズが不正に診療報酬請求をしていたと報道で指摘され、特別調査委員会を設置。いまも業務実態を調べている。

サンウェルズ「不正請求疑い」時系列まとめ/社側は否定、特別調査委を設置/株価は直近の高値から4割近く下落

※追記箇所を緑色の文字にしてあります。 パーキンソン病専門の有料老人ホーム「PD…
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共同通信社の報道翌日となる9月3日、サンウェルズは「そのような事実は一切ない」という趣旨のコメントを発表し、法的措置に出る可能性まで示唆していた。

しかし、11月6日の発表によれば、まだシロかクロかははっきりしていない。それと言うのも、事実関係を明らかにするため広く関係者へヒアリングし、書類を精査しているほか、全国40施設を対象に徹底調査を進めている最中だかららしい。

それゆえ11月14日に間に合わないということだ。

株価は時間外で10%急落

この説明を「100%シロだと示すために徹底調査している」と読み解くか「実はクロの可能性が出てきたから詳しく調べている」と読み解くか。

少なくとも株式市場では疑心暗鬼の状態が続いている。サンウェルズの株価は共同通信社の報道後に約50%下落(=半値)してから少しずつ値を戻してきた。筆者からすると、この段階で決算発表の延期は既定路線となり、株価に織り込み済みのように見えた。

ところが、実際は11月6日16時の発表を受けて時間外取引で急落。18時時点では同日終値から10%ほど低い位置で取引されている。

結局、20%安で年初来安値を更新

さて、上記の記事公開翌日の11月7日、サンウェルズ株は時間外取引での下落幅に収まらず、6日終値と比べて20%ほどの暴落となった。

サンウェルズ株の年初来の値動き(2024年11月7日時点、出典・Googleファイナンス)

この日の安値は1,352円で、年初来安値を更新。19.98%安の1,402円で大引けを迎えた。ちなみに、年初来高値は8月28日の3,095円なので、現在の株価水準は年初来高値から6割近く安いレベル感にあるということになる。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、地元新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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