日本製麻(本店・砺波市)は2024年12月6日、第三者割当増資を実施し、14億円超を調達することを決めた。砺波市の北陸工場の増強やM&Aの資金に充てる。
新たな株主が大量の新株を持つことになるので、日本製麻の筆頭株主であるゴーゴーカレーグループ(金沢市)の大株主順位は2位に下がる見込み。
発表によると、日本製麻は2025年1月8日を払込期日として74万株を新たに発行し、すべてをアスリート向けモーション解析デバイスの開発などを手掛けるLEOMO(アメリカ)に割り当てる。発行価額は1株544円(12月6日の終値は604円)。
さらに20,100個の新株予約権を発行し、これもLEOMOに割り当てる。
新株発行と新株予約権の発行による払込金額の総額から諸費用を引いた14億5,700万円が調達額となる。
LEOMOは日本製麻の森欣也社長が知り合いの会計士を通じて紹介されたらしい。
森氏は東芝出身で、FHTホールディングス(現・環境フレンドリーホールディングス)社長などを経て、2024年6月に日本製麻へ入社。同9月に専務になり、同11月20日に当時の社長が一身上の都合で辞任したことを受け、後任の社長に就いている。
1社とM&Aの交渉中
日本製麻は今回の調達資金の使い道として、工場の設備投資に2億5,700万円、M&A資金に12億円を充てる。
M&Aに関しては企業価値10億円規模の国内企業3社を相手として検討している。このうち1社とは初期的な交渉に入っているという。
大株主順位の変動は…
さて、日本製麻といえば、ある時ゴーゴーカレーグループが株式を大量に買い集めて筆頭株主に躍り出て、ゴーゴーカレーグループ創業者が日本製麻の社長を務めたものの、その後に解職され、インサイダー疑いうんぬんで調査された経緯がある。
※日本製麻とゴーゴーカレーの関わりは以下のまとめページから。
今回は新たに株が発行されてLEOMOに割り当てられる一方、今ある株の価値が薄まる。その結果、ゴーゴーカレーグループの持ち株比率が低下して大株主順位は2位に下がり、代わりにLEOMOが筆頭株主になる。
筆頭株主が交代となると、日本製麻とゴーゴーカレーグループの「攻防」も、いよいよ収束に向かっていくのかも知れない。