2024年の株式市場が大納会を迎え、北陸3県の上場企業の年間騰落率をランキング化したところ、値上がりトップは澁谷工業となった。
対象としたのは北陸3県に本社か本店を置き、東証プライム・スタンダード・グロースの3市場に上場している67社。騰落率は2024年と2023年の取引最終日の終値を基準に算出した。いずれの年も一時点同士の比較に過ぎないので、参考までに。
まず、全体の内訳から。上昇は39社で、変わらずが1社、下落が27社となった。構成比に直すと以下のグラフの通り。上昇は58.2%に相当し、1年前のまとめで約75%の企業が値上がりしていたことと比べると、上昇力は鈍化した。

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上昇が多数派も、日経平均超えは9社のみ
次に上昇した企業ランキングをみてみる。参考情報として日経平均株価(225種)、東証株価指数(TOPIX)を挿入した。
なお(※)が付いた企業は2024年中に株式分割を実施しており、2023年末の株価を分割後の水準に合わせて再計算して調整した(つまり、23年末の株価を2や3で割った。端数は切り捨て)。

上昇2位に富山第一銀行、3位にトナミホールディングスが入った。これら上位9社のみが日経平均の上昇率を上回り、TOPIXを上回ったのは11社となった。
業種別では日銀の利上げ観測から地銀各社が値上がり上位に多く顔を出したほか、全国的には三菱重工業に代表される軍需銘柄が注目された流れで石川製作所も上位にランクインした。
また、小売業(Genky DrugStores、PLANT、クスリのアオキホールディングス、アルビス)や飲食業のハチバンも上げている。


下落トップは7割安のサンウェルズ
最後に下落の27社。

下位を見ると、業績悪化に連動して大きく値下がりした銘柄が目立つ。コーセルやタカギセイコー、田中化学研究所、シキノハイテックは海外部門の受注不振などによって足元の業績や先行きが悪くなっており、株価がそれを反映している。
サンウェルズは共同通信により診療報酬の不正疑いが報じられ、いったんは全否定したものの実際はクロっぽい行為があったそうで、その調査に伴って9月中間決算の発表を2025年2月まで延期している。
筆者が見るに、従来の高収益ビジネスモデルは継続が難しく、調査結果次第では事業の存続自体が怪しくなる。株主代表訴訟の可能性もくすぶる。今後の急騰に賭ける買いも一部あるものの、株価は上場来安値の近辺で推移している。
2025年はどんな年になるだろうか。

