【独自】金沢・鳴和の文苑堂書店TSUTAYA跡にホームセンター「コーナン」グループの「建デポ」が進出へ/各社「プロ向け」強化の背景は…

【独自】金沢・鳴和の文苑堂書店TSUTAYA跡にホームセンター「コーナン」グループの「建デポ」が進出へ/各社「プロ向け」強化の背景は…

2025年1月14日

金沢市小金町で2024年9月に閉店したTSUTAYA鳴和店(文苑堂書店)の跡に、ホームセンター「コーナン」を全国展開するコーナン商事(大阪市)のグループ会社「建デポ」が出店することになった。

オープンは2025年4月上旬の予定(3月という情報もあり)で、北陸3県に初進出となる。

場所は鳴和交差点の南西側角地。2025年1月14日の昼ごろに現地を訪れると、旧書店の建物の周りに足場を組んでいる最中だった。4月オープンということなので、建て替えるのではなく、改装で新店をつくるようだ。

コーナン商事の公表資料によると、建デポはプロ顧客向けの会員制建築資材卸売店で、首都圏を中心に82店(2024年8月末時点)展開している。ちなみに、後述の東洋経済の記事によれば、コーナンはプロ向け業態で最大手らしい。

金物店が減少

さて、最近、北陸のホームセンター市場では、コメリやムサシ、ホダカなどが「PRO」「資材館」といった新業態店や売り場を設け、プロ向け販売を強化する動きが目立つ。

面白いのはイオンモール白山に近いコメリで、業者の方がドライブスルーで買い物できる仕組みまで設けている。

東洋経済の記事によると、プロ向けが増えている理由は2つある。1つは旧来の金物店の減少。もう1つは住宅の新築数の頭打ちに伴って職人個人がリフォームを手掛けるケースが増え、必要な資材を買う場所のニーズが高まっている。

これは頻繁にホームセンターへ通う筆者にとって、納得のいくところ。平日午前のホームセンターは業者さんでにぎわっているし、そうした方々は個人だと手が出せない高価な材料や工具を大量に買っていく。客単価はかなり高そうだ。

「現代の金物店」という皮肉

ECで無数の選択肢から短いタイムラグで買い物できる時代に、リアル店舗の存在価値は「今すぐ実物を見て買える」こと。そうなると、リアル店舗が意識すべきは「広く浅く」ではなく「狭く深く」の店づくりで、特定の層にがっちりと食い込むことなのだろう。

前述のように、昔ながらの金物店はどんどん姿を消していった。それに取って代わった業態の1つが大型ホームセンターで、しかし今度はホームセンターが専門店化して「現代の大型金物店」になっている。何だか皮肉な話に思える。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、地元新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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