東証スタンダード上場の日本抵抗器製作所(南砺市)は2025年2月10日、子会社の経理担当者が1億5,000万円以上を私的流用していたと発表した。
北陸では東証プライムのサンウェルズ(金沢市)が多額の診療報酬を過剰請求。東証スタンダードのダイワ通信(金沢市)でも子会社で不適切な取引の可能性が浮上し、上場企業の不正が続いている。
日本抵抗器製作所の発表によると、連結子会社の日本抵抗器大分製作所(大分県宇佐市)の経理担当者が約6年にわたって銀行口座から現金を引き出し、私的に流用した。発覚を免れるため、会計帳簿には虚偽のデータを入力していたという。
日本抵抗器製作所はこれから経理担当者の懲戒解雇処分・刑事告訴を進める方針である。また、今回の不正発覚に伴い、2024年12月期決算の発表を延期する。
サンウェルズの件について、詳細は下記リンクの最新記事に譲りたい。
ざっくり説明すると、共同通信の報道によってサンウェルズが訪問看護の診療報酬を過剰に請求している疑いが広まった。同社は即日全否定したが、自社で設置した特別調査委員会は独自の試算として28億円分の過剰請求があったことを報告した。
インターネット掲示板を覗いていると「実際の返還額はそんなものじゃ済まない」という事情通の投稿もある。サンウェルズが手元に持っている現預金は20億円ほどとみられ、今後の展開が注目されている。
サンウェルズは2025年2月12日までに、延期中の2024年9月中間期決算を公表し、過去の決算を修正すると公表している。
ダイワ通信は子会社のディーズセキュリティ(金沢市)と取引先の間での不適切な取引に関する通報があり、子会社で売上の過大計上と簿外在庫が生じている可能性が発覚している。ダイワ通信は2024年4~12月期(第3四半期)の決算発表を延期している。

