ジャパンディスプレイ(JDI)、千葉・茂原工場でのパネル生産を終了して川北町の石川工場へ生産機能を集約/2026年3月めど

ジャパンディスプレイ(JDI)、千葉・茂原工場でのパネル生産を終了して川北町の石川工場へ生産機能を集約/2026年3月めど

ジャパンディスプレイ(東京)は2026年3月をめどに、千葉県茂原市の「茂原工場」でのパネル生産を終了し、生産機能を川北町の「石川工場」へ集約する。

2025年2月12日に開いた取締役会で方針を決めた。JDIによると、ディスプレイ産業は厳しい競争が続いており、慢性化している赤字体質から脱却するため、大きな戦略転換が必要となっている。

その中で、ディスプレイ事業では保有資産を軽くし、生産効率を高めて収益を改善しようと、固定費が茂原工場の4分の1で済み、高成長分野の先端半導体パッケージングとセンサーの生産効率が良い石川工場にパネル生産機能を集約することにしたらしい。

茂原工場は売却する方向で、今後はAIデータセンターとしての活用を見込んでいる。人員は協業先と話し合い中という。茂原工場で生産中のパネル(車載用が中心)は作り溜めや石川工場への生産移管などで賄う。OLEDディスプレイは自社生産をやめ、委託生産先のファウンドリーパートナーと協議を進める。

茂原工場での生産終了により、現時点の試算では最大で約250億円(年間)の固定費が削減できるという。JDIのHPによると、今回の生産集約によって国内の生産拠点は石川工場と鳥取工場のみになる。


建設途中の旧白山工場(2015年11月に撮影)

JDIはもともと白山市の北陸自動車道そばに「白山工場」も持っていた。2015年4月に液晶ディスプレイを製造する工場の用地としてキリンビール北陸工場跡地を取得し、2016年12月に生産を始めた。

工場建設は1,700億円という巨額の投資だったのだが、思うように稼働状況が上向かなかったようで、会社が赤字続きだったこともあって2020年10月に工場をシャープなどに譲渡した。

そして、工場立地に際して受け取った助成金を返すか返さないかで白山市と訴訟沙汰になっている。

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国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、地元新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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