大同工業、株式交換による経営統合で椿本チエインの完全子会社に/2025年末に上場廃止

大同工業、株式交換による経営統合で椿本チエインの完全子会社に/2025年末に上場廃止

東証スタンダード上場の大同工業(加賀市)は2025年5月14日、椿本チエイン(大阪市)と経営統合契約を結んだ。大同工業は株式交換により2026年1月1日に椿本チエインの完全子会社となる。それに先立つ2025年12月29日には上場を廃止する。

発表によると、両社が属する国内チェーン業界は業界再編が進んでいる。海外メーカーの日本市場参入も積極的で、既存顧客が調達先を中国や韓国のメーカーへ変更しようか見当するケースがあるらしい。

椿本チエイン側がグローバル市場で競争力を高めるための方策を検討する中、経営ビジョンに共通項がある大同工業を子会社化することにより、効率的な運営体制の構築、グループ全体の収益力向上などにつながると考えた。

そこで、2024年12月13日、椿本チエインから大同工業に株式交換を前提とした経営統合を提案した。大同工業側は検討の結果、両社グループが有する人材、資産、技術、ノウハウなどの経営資源を相互活用することで新たな事業機会が生み出せるとして経営統合に同意した。

椿本チエインは東証プライムに上場しており、2025年3月期の連結売上高は2,791億円、純利益は221億円で、いずれも過去最高だった。時価総額は1,983億円。

大同工業は東証スタンダード上場で、2025年3月期の連結売上高は575億円で過去最高だったものの、純利益は11億円で営業、経常利益とともに過去最高額の半分ほどにとどまっている。時価総額は94億円。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、地元新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

PAGE TOP