金沢のオフィス市場で、空室の解消がなかなか進まない状況が続いている。不動産情報サービスのCEREのレポートによると、2025年3月期の空室率は13.0%で、11四半期(2年9カ月)連続で2ケタ台となった。

改善しそうで改善しない。郊外から金沢駅前への移転拡張ニーズが高まっている半面、新たなオフィスも竣工しているので、基調として横ばいになっているもよう。
CBREが調査しているのは延べ床面積1,000坪以上、新耐震基準に準拠した賃貸オフィスビル。全国の13都市を対象に、空室率と想定成約賃料を3カ月ごとに集計している。
ここで、全国13都市の空室率と想定成約賃料(いずれも2025年3月期)を散布図にしてみた。

こうして見ると、いまの金沢は空室率が頭抜けて高いにもかかわらず賃料が仙台、広島、神戸あたりと近いと分かる。
金沢は大都市と比べるとマーケットの規模が小さく、これから新たなビル(北國銀行本店の隣)などもできてくる中、どうなるだろう?
もちろん、対象以外にビルはたくさんあるから、この調査がオフィス市場全体の状況を反映しているわけではない。たまたま新しい大型ビルがそろえば賃料は高くなりがちだ。あくまで、そういう調査があったということでご理解いただければ。

