東証スタンダード上場で、歯科クリニックに向けた通信販売などを展開する歯愛メディカル(能美市)は、資本業務提携しているエア・ウォーター(大阪市)の傘下に入り、非上場会社となる。
エア・ウォーターは現在、歯愛メディカル株の38.29%に当たる1,914万株余りを保有している。その上で歯愛メディカル筆頭株主で社長の清水清人氏が保有する46.73%分の株式のうち、36.73%分を買い取り、そのほかの発行済み株式は2025年8月8日~9月24日の公開買い付け期間に取得する。買取価格は1,500円でTOB発表前の株価の1.5倍ほど。
これにより、TOB後の歯愛メディカルの株主構成は、エア・ウォーターが90.00%、清水清人氏が10.00%になる見込み。
エア・ウォーターは1929年に北海酸素として設立し、1950年に札幌証券取引所に上場。産業ガスや関連事業をメインに事業を拡大し、現在は262社でグループを構成している。2025年3月期の売上高は1兆759億円となっている。
一方の歯愛メディカルは2000年に白山市で設立し、2016年に東証プロマーケットに上場した。2024年には「ニッセン」「白鳩」を子会社化し、歯科クリニックで働く女性たちに向け、複数のチャネルからアプローチを試みていた。2024年12月期の売上高は674億円。
歯科クリニック数は2017年以降減少傾向にあり、物流費も高騰しているなど、直面する課題は多い。そこで、エア・ウォーター傘下に入って一体的な生産計画の策定、コンシューマー向け事業の変革、新規事業の創出などに取り組むという。

