あえて「能登に泊まらない」という選択

あえて「能登に泊まらない」という選択

東京に自宅があって仕事で頻繁に能登へ来ている経営者と話す機会があった。引っかかったのは、2024年元日の能登半島地震までは泊まりがけで来ていたが、それ以降は日帰りという点だ。

なぜだろう?

実は「能登半島はもともと宿泊施設が少ない。ようやく宿泊を受け入れているところもあるが、まだフル稼働できない宿も多い。限られたキャパシティーは復旧業者や観光客に回したい」らしい。

なるほど。自身は泊まろうが泊まるまいが、どのみち継続的に能登を訪れる。あえて「泊まらない」ことで、新たに能登に触れる人を1人でも多く迎え入れられるような環境をつくりたい、という理由だった。

復旧・復興ではどうしても「何をしたか」に注目しがち。この点、あえて「しない」ことで誰かが「する」ことを後押しできることもあるのだ。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、地元新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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