東証プライム・クスリのアオキホールディングスはスタンダードへ鞍替え/10年後に売り上げ倍増の1兆円を目指すプランも発表

東証プライム市場に上場しているクスリのアオキホールディングス(白山市)は2025年12月26日の取締役会で、東京証券所での上場先をスタンダード市場へ変更する方針を決めた。また、新たに名古屋証券取引所メイン市場に上場することも決定した。

発表資料によれば、市場区分の変更は中長期的な成長や経営効率を優先して「現実に即した市場区分のもとで経営資源を集中させる」ことが狙いという。一方、名証への上場は東海エリアでの認知度向上などが目的らしい。


また、設立50周年に向けた「50周年ビジョン」を公表し、ビジョンの最終年度に当たる2035年5月期の売上高は、1兆円の大台を目指すとした。直近の2025年5月期が5,014億円なので、10年間で倍増させる目論見のようだ。

ちなみに、その中間に当たる2030年5月期は売上高8,000億円を目指す。つまり、今後5年間で約3,000億円の上積み、その後の5年間で約2,000億円の上積みということだから、2030年代に入ってやや減速することも視野に入れているということだろうか。

クスリのアオキホールディングスは最近、大株主の投資ファンドにガバナンスの在り方などを問われるなど、株主対策に苦慮したはず。売り上げ倍増を目指しながら「現実に即した」市場としてスタンダードを選ぶ背景には、そうした面倒を避けたいという思惑もありそうだ。

 

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