小矢部市の「三井アウトレットパーク北陸小矢部」内にある「LEGO」のショップが、2週間ほどの改装期間を経て、2022年2月1日にリニューアルオープンした。
これまで「クリックブリック」と付いていた店名は「レゴストア」に変更となった。レゴストアは「体験型」をうたう店舗で、扱う商品の幅はクリックブリックより広い。改装により、事実上の「格上げ」となったようだ。
ところが、店舗の場所は以前と同じで、外観もパッと見は変わらない。違いは店内に入ると分かる。
箱を持っていくと、バーチャルで組み立て
店内の左手の大型モニターではAR(拡張現実)技術の活用によって、好みの商品の箱をモニター前に持っていくと、その商品を組み立てるイメージ動画が流れる仕組み。
コロナ前は店内にレゴで遊べるスペースがあったが、最近は感染対策で撤去されていた。ARを使った仕組みは非接触でも子どもが楽しめる工夫にもなる。
店内の右手には小矢部市にあるクロスランドタワーや立山を背景に写真撮影する家族の様子をレゴで表現した「壁画」がある。
「パーツの色が偏る問題」を解決
最も感銘を受けたのは「Pick a Brick(ピック・ア・ブリック)」と呼ばれる新設コーナーだ。
簡単に言うと、ばら売りになっているパーツの詰め放題コーナーである。所定の容器は2種類あって、小さい方が2,000円、大きい方が3,000円。
レゴストア北陸小矢部店では、写真の通り、8×8=64のパーツが置かれている。店員さんによると、容器のふたが閉まるなら、どのように組み合わせても良いそう。
筆者は幼い時、大きな消防署を作るセットを買ってもらった。消防署を作るのは楽しかったが、そのパーツで何か他の物を作ろうとすると、大部分が赤色のパーツという点が悩みだった。そう、レゴのパーツは購入したセットの種類により、色や形が偏りやすいのだ。
全世界の子どもたちを悩ませる、この深刻な問題を解決するのが詰め放題。
対象はターコイズブルーなどあまり見掛けない色のパーツ、ハート型など変わった形のパーツがあり、それらを手持ちのパーツ群に加えることで、子どもの想像力を刺激できそう。
このサービスはレゴランドやレゴストアでのみ提供しているらしいので、北陸には初登場となる。
ちなみに「格上げ」に伴い、クリックブリックでは扱えなかった種類の商品も置けるようになり、ラインナップが拡充されたという。
レゴで「タイプライター」制作?
さて、店内を巡回していると「IDEAS」という表記のついたシリーズの「タイプライター」に目が留まった。
価格は2万3,980円。同じく数万円するレゴ商品のスポーツカーや名建築は愛好者が多そうなジャンルであることから考えると、どことなくタイプライターは異色の存在な気がする…。
店員さんによると、「IDEAS」シリーズはファンが既存パーツで制作した作品をウェブサイトに投稿し、一定数以上の支持が集まったら商品化に向けて動き出すファン参加型の取り組みらしい。だから「いかにもレゴ」な感じではない商品もあるわけだ。他には映画「ホーム・アローン」の舞台の洋館なんかも売っていた。
そんなレゴストア。今なら、オープン記念で「レゴで作るレゴストア」がもらえるという。
「それ、子どもが喜びそう。いくら買うと、くれるんですか?」
「2万2,000円以上です。次はお子さんといらしてください」
「に、2万???…考えておきます」
子どもを連れて行ってあげたいような、連れて行きたくないような、複雑な心境である。