地元住民による書籍コンテスト「うつのみや大賞」2021年分のノミネート作品が決定/地方で書籍コンテストやる意味は

地元住民による書籍コンテスト「うつのみや大賞」2021年分のノミネート作品が決定/地方で書籍コンテストやる意味は

2022年2月12日

石川県内で書店などを展開する「うつのみや」(金沢市)は2021年に同店で人気だった書籍の中から、地元住民が最も面白かったと支持する本を選ぶコンテスト「うつのみや大賞2022」を始めた。

文芸、文庫の2部門に5作品ずつがノミネートされた。応募締め切りは5月29日で、店頭とウェブから投票を受け付けている。6月14日に結果発表の予定。ノミネート作品は以下の通り。

【文芸部門】

【文庫部門】

居住地域で異なる「物語の受け止め方」

こうした取り組みは地味だが意義深いと思う。

「このミステリーがすごい」「本屋大賞」などの有名なコンテストはあるが、本来、物語というのは読む人の境遇により受け止め方が異なる。

例えば「雪」という単語や雪景色の描写に対し、太平洋側の人は「風情」「美しさ」といったプラスの感情ばかり抱くかも知れないが、北陸など豪雪地帯の人は「面倒」「恐怖」といったマイナスの感情が少なからず混じる。沖縄の人と北海道の人では「春」「日差し」へのイメージも異なるだろう。

そうなれば、魅力的だと感じる作品が地域ごとに違っても不思議ではない。そのため、うつのみや大賞には開催の意味があると思う。

もっとも、筆者は読書が趣味なのに、読むのは主にビジネスや自己啓発に関する本ばかり。だから、こうして一覧を見ると、知らない作品ばかりだ。久々に小説を読んでみようか。

 

投票は以下のうつのみやホームページより。

https://www.utsunomiya.co.jp/?staff=2022utsutai

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、地元新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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