医薬品メーカーの辰巳化学(金沢市)は2日、同社が製造販売するザルトプロフェン錠80「タツミ」(一般名・日本薬局方 ザルトプロフェン錠)の自主回収を始めた。
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)のホームページによると、自主回収の対象となるのは、2020年3月2日から22年1月6日までに出荷された5,840箱となる。
参考品を試験した結果、溶出性が承認規格に適合しなかったという。
溶け出すのが遅くなるため、有効成分の吸収が想定より遅れる可能性はあるが、分量自体は規格内であることから、重篤な健康被害が起こる可能性は極めて低いらしい。現在のところ、健康被害の報告もない。
一般的に、自主回収される医薬品は、健康への危険性により3段階に分けられる。
危険度は3段階で真ん中
辰巳化学による回収は真ん中の「クラスⅡ」。PMDAのホームページでクラスⅡは「一時的な若しくは医学的に治癒可能な健康被害の原因となる可能性がある状況又はその製品の使用等による重篤な健康被害のおそれはまず考えられない状況」と説明されている。
ザルトプロフェン錠80「タツミ」は関節リウマチや変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群 手術後、外傷後並びに抜歯後の消炎・鎮痛に効能・効果を持つ。辰巳化学は対象ロットの納品先に通知して返品を依頼している。
辰巳化学は1941(昭和16)年設立で、資本金は1億円。ホームページによると、従業員数は約450人となっている。金沢市に本社、白山市に工場や研究所を置いている。
北陸の医薬品メーカーでは最近、日医工(富山市)や廣貫堂(同)などがクラスⅡの自主回収を行った。