東証2部の北日本紡績(白山市)は8日、糸自体に抗菌・抗ウイルス機能を持たせる技術を確立し、4月に上市することに決まったと発表した。新型コロナウイルスへの効果に関しては提携する大学で試験中という。
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発表資料によると、一般財団法人カケンテストセンターで抗菌試験と抗インフルエンザウイルス試験を実施したところ、綿糸、ポリエステル糸の両方に抗菌・抗ウイルス機能が認められた。量産体制も整ったため上市時期が定まった。
独自技術で抗菌・抗ウイルス剤を糸の表面に固着させる。編んだ後の布に薬剤を固着させる場合と比べて経年劣化が起きにくく、凝集することもない。
一方、糸に抗菌・抗ウイルス機能を持たせるには、薬剤を糸に練りこむ方法も考えられる。しかし、それだと糸の内部にも薬剤が入るので質感が損なわれ、強度の低下や紡糸機械の汚れが問題になるらしい。
標的市場として、綿糸はタオルや肌着など、ポリエステル糸は医療用ウェア、肌着、自動車用シート、インテリア、寝具などを想定している。現在、今回の技術の知財化を国内に加えて海外でも検討しているという。
有価証券売却益を計上
北日本紡績は2022年3月期(通期)の業績に、特別利益864万3,000円を計上する。
資産の効率化、財務体質の健全化に向け、保有していた1銘柄の有価証券を2月末に売却したという。
同社の通期業績予想は1年近く前の2021年5月14日公表の値のまま。予定通りに業績が推移していれば、特別利益の加算によって予想が上振れしそうだが、そもそも売却益を「織り込み済み」だそうで、業績予想は変更しないらしい。
【追記】9日の市場で株価が高騰
同社の株価の9日終値は、前日終値比で6.78%増(9円)高い140円だった。
この日は午前中に前日終値比40円高い171円の高値をつけた。昼に向けて売られて136円まで落ちたが、午後に入ってジワジワと値を戻した。