湯快リゾート(京都市)は小松市で営業する「あわづグランドホテル別館」を、愛犬家向けの業態「湯快わんわんリゾート粟津」に改装するもようだ。オープンは2022年4月末を予定している。
あわづグランドホテル別館は小松市粟津町にあり、徒歩1分圏内に本館を置いている。
旅行情報サイト「じゃらんnet」によると、客室数は68室で、露天風呂やサウナもそろえる。ゲームコーナーや卓球場もあるところから、昔ながらの温泉旅館といった感じだ。
「わんわんリゾート」は屋内ドッグランやフォトスポット、愛犬と一緒に入れる貸切露天風呂などを備える。コンセプトは「わんちゃんとずっと一緒♪」。既に加賀市片山津温泉にも同じ「わんわんリゾート」があり、湯快リゾートとしては粟津が2施設目とみられる。
湯快リゾートは2003年9月設立で、ホームページによると、西日本に30のホテル・旅館を展開している。これまで、廃業したり競売にかけられたりしている宿泊施設を買収、再生させる手法で事業を拡大してきた。食事をバイキング形式にしてコストを抑え、低価格を売りに業容を伸ばしている。
犬・猫1,800万頭 > 子ども1,500万人
よく知られた話だが、日本国内で飼われている犬と猫は合計で1,800万頭を超える一方、15歳未満の子どもの数は1,500万人を割り込んでおり、子どもの数よりもペットの数の方が多い。
もっとも「ペット同伴可」の飲食店などは少なく、ペット連れで出かける制約がまだまだ多い現状からすれば、単純に「ペットが子どもより多い」=「ペットを飼う人の旅行市場が家族連れの旅行市場より大きい」ということにはならない。
それでは、なぜ今ここで「わんわんリゾート」なのか。
察するに、少子化&ペット増の中長期トレンドに加え、コロナ禍でホテル・旅館の廃業が続き、湯快リゾートのビジネスチャンスが広がる可能性を考えると、今のうちにカニバリゼーション(自社グループ内での競合)を避ける方策を打っておきたいのではないか。
だから、現時点で複数の既存施設がある地域では、先手を打って幾つかの施設に特徴を持たせ、この先、同一エリアに運営施設が増えても、グループ内で共存できる体制を築こうとしているものとみている。