富山銀行は2022年3月14日、会社更生手続きの申し立てがなされ、東京地裁から保全管理命令を受けた取引先のイセ食品(東京)に関し、貸出金3億5,100万円が取り立て不能・遅延となる可能性があると発表した。
3億5,100万円が富山銀行の連結純資産(2021年3月末時点)に占める比率は1.04%。同行は貸出金のうち、担保・保証による回収見込額を除いた部分は全額を引き当て済みであるとして、通期(22 年 3 月期)の業績予想は変更しなかった。
同行は今年(22年)2月末にも取引先のカネコ(富山市)が破産し、最大3億円超の回収ができない可能性を公表していた。まさに踏んだり蹴ったりである。
東和銀行と合計で金融債務の1割強/広がる余波
イセ食品は自社ブランド卵「森のたまご」などで有名な鶏卵大手企業。前述のように、同社とグループ会社のイセ(高岡市)が、会社更生の手続きに入っている。
信用調査会社の帝国データバンクによると、負債総額は2社の合計で453億円。
富山銀行に先立ち、東和銀行(前橋市)は29億6,400万円の債権に取り立て不能・遅延の恐れが生じたと発表した。東和銀行の場合、債権のうち担保や引き当てで保全されていない6億8,600万円を、22年3月期に全額引き当て処理するという。
ただ、イセ食品とイセの負債453億円のうち、金融債務は260億円に上るらしい。東和銀行、富山銀行の債権は金融債務のうちの13%程度にすぎない。イセ食品の会社更生手続きは、まだまだ余波を広げそうだ。
※まとめページは以下のリンクから