百貨店業の大和(金沢市)は2022年3月20日までに、同年の年初に福袋として販売した商品に景品表示法違反の事実があったことが分かったとして、ホームページ上に「お詫び」を掲載した。
景品表示法に反したのは、富山店で取り扱った「新春初夢袋」のうち、光岡自動車(富山市)が製造する人気SUV「Buddy(バディ)」を486万円強で買えるという企画。
大和のお詫び文によると、広告に表示していた車両と実際に店内に展示していた車両が異なっていた。また、バディは現在、あまりの人気ぶりに生産が追い付かず、納車までに長い期間が必要なのに、広告にも展示売り場にも、そうした内容を案内する表示がなかった。
これが景品表示法第4条第3号の「おとり広告」に該当するらしい。驚いたことに「お客様のご指摘」で判明したというのだから、随分と法律に詳しい買い物客がいたものだ。
大和は「弊社の不手際により、お客様に誤解を与えることとなり、多大なご迷惑とご不便をおかけいたしましたこと心よりお詫び申し上げます」としている。既に所轄官庁に報告し、指導を受けたという。
着眼点は素晴らしいが………
個人的には企画自体は非常に素晴らしい着眼点だったと思う。
この企画を初めて見た2021年末、大和は光岡自動車と協議して「納車2年待ち」を1台限定で短縮し、すぐに納車してもらえる体制を整えたのだと理解した。福袋というと、普段より割安に買えることばかりクローズアップされがちだが、今回の企画により、長く待たなければならないものを早く手に入れられることにも一種のプレミアム感があるのだと気付いた。
しかし、お詫び文を見る限り、実際の納車時期は1、2年先になるということだったのだろうか。夢は見てから実現まで時間がかかるものだが、これではそもそも「2022年の新春初夢袋」と言えないような気も……。
そして、大和にとっては「新春悪夢袋」になってしまったか。
いずれにせよ、イレギュラーなことをする時こそ、これまでと異なる点に注意を払わないといけない、という教訓としたい。