星野リゾートグループが金沢市の竪町通りで運営するホテルは、都市観光を意識した同グループのホテルブランド「OMO」になることが分かった。
複数の関係者によると、既に地元の事業者らへの説明は終えており、オープンに向けた準備が進んでいる。
星野リゾートのホームページではOMOを「都市観光のテンションを上げるホテル」というコピーで紹介している。ガイド付きツアーを毎日開催するほか、周辺の魅力を集めた壁一面の「ご近所マップ」、休憩や旅のリサーチに適した共用スペース「OMOベース」などを備えるらしい。
実はOMOブランドには4タイプのホテルがある。
「OMO1」はほぼ泊まるだけのカプセルホテル、「OMO3」は出来上がっている商品を買う「グラブ&ゴー」方式の朝食が出るベーシックホテル、「OMO5」はカフェを併設するブティックホテル、「OMO7」はレストランも備えるフルサービスホテルとなる。おそらく、数字が大きくなるほど、サービスは充実して料金が高くなるのだろう。
金沢は「OMO5」=ブティックホテルに???
現状、OMOのホテルは全国に11施設ある。「1」は東京川崎、「3」は札幌すすきの、東京赤坂、京都東寺、「5」は小樽、東京大塚、京都祇園、京都三条、沖縄那覇、「7」は旭川、大阪。
独自に調べたところによると、竪町通りのホテルはカフェを備える可能性がある。とすると、金沢は「5」に当たるのだろうか(違ってたらスミマセン)。
ところで竪町通りのホテルの外観は、正直なところ、よくあるビジネスホテルのようなシンプルさだ。軽井沢や沖縄、北海道でリゾート施設を展開する「星野リゾート」のイメージとは距離がある。
しかし、ポップで楽しげなホームページを見ると、あえて従来の路線から外れ、都市型の宿泊施設の在り方を模索する意欲的なブランドであることが分かる。
竪町通りのホテルが完成したら、是非とも館内を覗いてみたい。
思えば、北陸新幹線金沢開業からの数年間、金沢市内ではホテルが開発ラッシュだった。国内外の旅行客が右肩上がりに増えていたからなのだが、その状況は長く続かなかった。周知の通り、2020年に新型コロナウイルスが拡大し、宿泊市場がものすごい勢いで縮小したのだ。
ここで竪町通りにホテルができれば、宿泊需要が低迷する中、さらに金沢の宿泊施設のキャパシティーが増え、需給のギャップが広がってしまう。
ただ、それもデメリットばかりではない。むしろ、星野リゾートというネームバリューを持ち、テーマの尖ったホテルが加わるのは、地元宿泊市場の多様性の観点から、長期的には望ましい影響の方が大きいのではないか、と考えている。
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