北國フィナンシャルホールディングス(HD、金沢市)は2022年4月28日13時、株主還元の方針を見直し、配当と自社株買いにより総還元性向40%以上を目指すと発表した。
あわせて最大で発行済み株式総数(自己株式除く)の9.33%の250万株を90億円で取得し、100万株を消却すると公表し、同日の株価は東証プライム市場の値上がり率ランキングで4位に入った。
同HDの同日終値は前日終値比17.6%(560円)高い3,740円だった。27日に株式の持ち合い解消を目指すという発表から、同HDの現体制が株価対策に熱心なことを理解して株式を買っていれば……後悔、先に立たず。
さて、従来の株主還元方針は「年70円の安定配当と自社株買いで総還元性向40%メド」だったので、方針変更は実質的に株主還元策の強化となる。
北國銀行の22年3月期は利益が5、6割増し
同HDが28日発表した子会社北國銀行の2022年3月期の個別決算は大幅な増益だった。
利息収入などを含む「資金利益」が前期比12億円増の355億円、手数料収入を含む「役務取引等利益」が8億円減の49億円。一方で「経費」は3億円減の288億円。
その結果、本業のもうけを示す「コア業務純益」は10.6%増の130億円。経常利益は60.3%増の180億円、純利益は51.8%増の90億円だった。
3月末時点の預金残高は4兆2,727億円で、前年同期から2,206億円増えた。一方、貸出金残高は299億円減って2兆6,039億円となった。貸出金は14業種のうち、製造業や建設業など10業種で減少、電気・ガス・熱供給・水道業や各種サービス業など4業種で増えた。
同HDの23年3月期の配当予想は中間、期末とも50円で、年100円。22年3月期はHD化前の中間40円とHD化後の期末50円の年90円だったので、実質10円の増配を見込んでいる。