日医工「私的整理の検討は事実」/読売新聞の報道受け見解

日医工「私的整理の検討は事実」/読売新聞の報道受け見解

2022年5月12日

ジェネリック医薬品(後発薬)大手の日医工(富山市)が、私的整理の一種である事業再生ADR手続きでの経営再建を検討していることが分かった。2022年5月12日、読売新聞が報じた。日医工は同日朝に「検討していることは事実」と、半ば認めるコメントを発表した。

経済産業省のホームページによると、事業再生ADRは「経済産業大臣の認定を受けた公正・中立な第三者が関与することにより、過大な債務を負った事業者が法的整理手続によらずに債権者の協力を得ながら事業再生を図ろうとする取組を円滑化する制度」。

すぐに倒産どうこうという話ではなく、事業を続けながら、第三者機関と連携して金融機関に対して債務の減免などを要請する。

日医工は昨年(2021年)3月、国が承認した手順と異なる不適切な方法で医薬品を製造し、富山県から業務停止命令を受けた。そのため、医薬品の生産に影響が出て業績が悪化し、21年3月期の連結純損益は41億円の赤字だった。22年3月期も赤字が続く見込みで、現時点では連結最終赤字が186億円に膨らむ見通しを示している。

21年には医薬品卸大手のメディパルホールディングス(東京)と資本業務提携を結び、52億円の出資を受けている。

同社は5月13日に決算発表を予定する。そのタイミングで正式な発表があるのだろうか。

株価は急落、ストップ安水準で値がつかず

報道を受け、12日朝、日医工の株価は急落した。

11日終値が772円のところ、12日の前場終了段階では売り注文が多すぎ、ストップ安水準の622円で張り付いたまま寄り付いていない(売買が全く成立せず、値がついていない)。

まとめページは以下のリンクから

【まとめ】長期化する日医工の不適切製造の余波/株価は下落、債務超過、上場廃止へ

ジェネリック医薬品(後発薬)で国内大手の日医工(富山市)が不適切な方法で製品を作…
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国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、地元新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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