ジェネリック医薬品(後発薬)大手で、私的整理の一種である事業再生ADR手続きで経営再建を進める日医工(富山市)は2022年5月26日、手続きの一環で、債権者に当たる全ての取引金融機関が出席する第1回債権者会議を開いた。
会議では全ての金融機関が、事業再生計画案を策定し、決議する債権者会議が終わるまで「一時停止」に従うことを承認したらしい。
借入金の返済を停止
ここで「一時停止」とは、債権者全員(今回は金融機関)の同意によって期間を決め、その間は債権の回収(日医工から見れば借入金の返済のこと)や担保権の設定、破産手続きの開始、再生手続きの開始、特別清算開始の申立てをしないことなどを申し合わせること。事業再生ADR手続きでは、事業再生実務家協会と債務者(今回は日医工)が連名で、こうした一時停止の通知を行うことになる。
今回の会議では、さらにメインバンクの三井住友銀行が設定した融資枠に基づき、有志を実行することに関し、全ての金融機関が賛意を示した。
今後、日医工は手続きに則り、事業再生計画案を策定する。
株価はじりじりと下げる展開
私的整理に関し、読売新聞がスクープする前後の日医工株の値動きについては、当サイトでも何度か書いた。その後の動向も確認しておく。下の表は、いずれも終値ベース。
11日(報道前日) | 772円 |
12日(読売が朝刊で報道した当日) | 622円(▲150円) |
13日 | 522円(▲100円) |
土日を挟む | |
16日(大幅続落で寄り付き、少し切り返す) | 248円(▲274円) |
17日 | 328円(+80円) |
18日 | 408円(+80円) |
19日 | 435円(+27円) |
20日 | 379円(▲56円) |
土日を挟む | |
23日 | 372円(▲7円) |
24日 | 347円(▲25円) |
25日 | 349円(+2円) |
26日 | 335円(▲14円) |
悪魔のような下落ののちに、3日間だけ反発したが、その後はじりじりと下げている。
筆者としては、日医工という会社の真価はともかく、株式市場的には丁半バクチのようになっているこの銘柄で、売買に参加する人がいることに驚いている。デイトレードで値幅を取りにいくと言っても、最近は値幅も小さい。この低位なので、何倍にも上昇する可能性はあるが、それが何年後になるか分からないし、紙くずになる危険性もあると思う。
まさに「触らぬ神に祟りなし」状態だと思うのだが…。
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