中越パルプ工業(高岡市)は2022年5月31日、連結子会社の文運堂(東京)の文具事業の営業権などを、同年7月1日に「ジャポニカ学習帳」でおなじみのショウワノートホールディングス(高岡市)へ譲渡することで基本合意したと発表した。
譲渡するのは文具事業のうち、営業権と棚卸資産、固定資産。屋号の「文運堂」や商品ブランドを使用できる許可もショウワノート側に与え、同事業の価値の向上を図る。
文運堂のホームページを訪れると、どうやら看板商品は「セレクト学習帳」らしい。1970年の開始から50年以上の歴史を持つという。ただ、筆者は人並み以上に文具に詳しいつもりだが、セレクト学習帳というのは初めて耳にした(幼い頃に知らず知らず使っていた可能性はある)。
発表文では譲渡の背景を「少子化や電子化等の影響から年々減少傾向が続いており、新製品販売や効率操業などによる収益改善に努めてまいりましたが、事業環境は依然厳しい状況」と説明している。
前段の外部環境は、子どもにタブレット端末を配るような時代だから、今さら如何ともしがたい。後段について、筆者個人としては、努力の結果うまくいかなかったブランドに固執するよりは、いっそジャポニカに統合してしまうとか、またはジャポニカブランドの中の1ブランドとしてスリム化して存続の道を探るのが良いと思うが。ショウワノートがどう立て直すのか楽しみである。