「宴会はまだまだでも、宿泊は少しずつ回復してきた。それなのに、肝心のスタッフがいない…」。2022年6月中旬、筆者が出席した金沢市内の会合で、あるホテルチェーンの役員が嘆いていた。嬉しいような、苦しいような、何とも複雑な表情だ。(国分紀芳)
連載の㊤では、コロナ禍で宿泊需要が低調になる中、客室数は増え続けるというギャップを紹介した。㊥では、その宿泊需要に反転の兆しが出始める一方、受け入れ側の態勢整備が追い付かない実情を書く。
まさかの「3重苦」
2020年初頭からの新型コロナウイルス禍では多方面で企業業績が落ち込み、巷(ちまた)には「希望退職者の募集」「保有資産の売却」など、ネガティブなワードがあふれ返った。
そんな中、宿泊業界は輪をかけて危機的な状況に陥る。その役員いわく、単一機能のビジネスホテルや旅館と異なり、シティーホテルの収益面は「宿泊」「宴会(+婚礼)」「レストラン」の3本柱からなり、事業が多少は分散されているように見える。ところが、コロナ禍では3分野すべてに同時に逆風が吹き、まさかの「3重苦」となってしまった。
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