分譲マンションのタカラレーベン(東京)が金沢市駅西本町1丁目で建設していた物件「レーベン金沢WESFORT」の概要が明らかになった。
地上8階建てに53戸が入り、第2期以降に販売する住戸の価格帯は3、400万円台~5、100万円台となる。
コロナ禍でテレワークが急速に普及したことを意識したのか、共用部分には「ワークスペース」を備える。ある意味ではシェアオフィスのような機能もある、現代のライフスタイルに即した物件になるようだ。
販売用のウェブページによると、立地は金沢駅の金沢港口(西口)から徒歩14分に位置する。「駅前」とは言い難い立地からか、各住戸に1台分の駐車場をしっかり備えている。2021年10月に建物が完成し、同11月下旬から入居できる見通しという。
中心価格帯は4300万円。強気に見えるが…
9月中旬に始まる第2期販売で何戸を発売するかは未定だが、2期以降で販売する住戸の最多価格帯は4、300万円台。住戸の専有面積は71m²~82m²で、25坪前後といったところ。間取りは2LDK~4LDKとなっている。
前述の通り、近年はマンションの立地として人気の高かった駅前や中心部から外れている物件にしては、強気の価格設定ではないか。
と言うのも、土地の広さや住宅メーカーによる面はあるが、一般的に金沢市内で4、300万円も出せば、それなりに利便性の高い場所に、立派な住宅を建てられるからだ。
ただ、今回の物件のデザインは黒っぽい色を中心とした高級感のある外観で、エントランスホールも高価格帯のホテルのロビーに近い雰囲気を感じ、とても好感を持てる。イメージ図で言うところの左手に見えるのが、おそらく「ワークスペース」で、Wi-Fi環境を整備するとのことである。
さらに、全室が南西向きらしい。この立地で南西向きということは、バルコニーからは恐らく金沢の中心部越しに白山連峰を眺めるロケーションになりそう。場合によっては発展著しい駅周辺の風景も見えるかも知れない。細かなところでは浴室にテレビがあったり、北陸では有り難いタイヤ置き場が設けられたりしている。
攻勢強めるタカラレーベン
タカラレーベンは近年、金沢市内でコンスタントに物件を供給している。立地はさまざまで、今回のように金沢駅から徒歩10分圏内の地域もあれば、中心部に近い大手町でも高価格帯の物件を造った。
同じ大手町の旧NHK金沢放送局もタカラレーベンが取得し、分譲マンションを開発することになっている。石川県内で分譲マンションと言えば、一昔前は大和ハウス工業かアパグループか、といった感じだったが、特にここ数年はタカラレーベンの攻勢が強まっている。
高齢化に伴い、除雪の要らないマンションのニーズは今後も一定以上あるとみられ、さらなる開発適地を探す動きがありそうだ。