北日本紡績(白山市)は2022年7月15日、同社の発行可能株式総数を2倍近くに増加させる定款変更に関するプレスリリースを公開した。基本的には増資への準備を進めたと受け取れる内容だ。
しかし、中身を読めば読むほど、意味が分からなくなる。
同日16時45分に公表されたプレスリリースによると、同年6月10日に開いた取締役会で、発行可能株式総数を3,615万株から6,959万株に増やすことなどを盛り込んだ定款変更案を「定時株主総会に付議することを決議いたしました」とのこと。
そして、その株主総会が6月29日。
ん? 総会は2週間前に終わったの?? なのに「付議すると決めた」???
なんだか時系列がメチャクチャ。
ホームページで定時株式総会の招集通知を読んだところ、確かに6月29日にグランドホテル白山で開くことになっている。
筆者がプレスリリースの存在に気付いたのは19時すぎ。事実確認のため、急いで北日本紡績に電話したが、もう誰も社内に残っていないようだった。
リリースによると、定款変更の効力発生日は6月29日。そこで、同日に北陸財務局長へ提出された2022年3月期の有価証券報告書を見ると、発行可能株式総数は「3,615万株」だった。
ん? 何かの理由で総会を延期したのか? まさか、否決されたのか?
普通、こうした株価に影響しそうな中身のリリースは、読んだ全員が内容を把握できるように作らなきゃいけないと思う。それなのに、謎はどんどん深まるばかり…。
20時。ならば総会の有無だけでも分からないか、と思ってグランドホテル白山に電話。「お客さまのことなので、私どもからは何とも…」「ですよね。失礼しました」。でしょうね。
結局、どういうことなんだ。週明けに北日本紡績へ電話してみようか。何だかモヤモヤした気持ちで3連休を迎えることになってしまった。
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