新型コロナウイルス感染の経験者だから言いたいこと「全数把握は要らない」

新型コロナウイルス感染の経験者だから言いたいこと「全数把握は要らない」

2022年8月3日

新型コロナウイルスに感染した経験者として、新型コロナ対策分科会の尾身茂会長が政府に提言した「感染者数の全数把握の見直し」を支持したい。

新型コロナにかかった体験談は以下のリンクから

新型コロナウイルスに感染した体験談(石川県金沢市民37歳男の場合)/40度の高熱、耳鳴り、体の痛み…

※症状は個人個人で違うと思うので、あくまで筆者の体験談として参考程度に受け止めて…
connect-u.biz

最近は北陸でも1県の新規感染者数が1日1,000人を超えることも。それを1人単位で把握するため、担当公務員の方は異常な忙しさの中で事務処理をしている。公務員は手続きを遵守するのが原則なので、仕組みが変わらない限り、感染者数の増加に比例して作業量が増える。

一市民として、当初は「県内 100人感染」という見出しに驚いたが、今は感染者数の増加ぶりに比して重症化率が上がっていないことが知られている。筆者の体験からしても、対策を怠ってはいけないが過剰に恐れなくてもいい。もはや「感染者数」自体に意味は薄い

人員は本当に必要な部門へ

それなのに、マスコミは飽きもせず「過去最多 新規1,700人」「全国で30万人感染」の大見出し。コロナ初期の見出しとは数字が違うだけで、惰性で報道している感じが著しい。

そもそもマスコミは横並び意識が強く、大して意味のない数字も、他メディアが報じると思えば、自身もそれなりに報じる。その毎日の中、結局、新聞もテレビも2年前と同じ報道姿勢を続けている。

それも毎日の感染者数の発表がなくなれば終わる。市民は発信者自身が「意味のない数字」と思いながらも大々的に押し付けてくる情報に接しなくてよくなる。

今、公務員は誰のために心血を注いで1人単位まで感染者数を割り出しているのだろう。意味の薄い作業は人間の仕事自体へのモチベーションを下げるし、必要な部門に人員が回らない元凶にもなる。そんな雑務から解放し、本当に人手を必要とする部門で活躍させてほしい。

だから「全数把握」は必要ではない、と考えている。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、地元新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

PAGE TOP